「キシリトールガムは歯にいいから、毎日噛んでいます」
「虫歯予防のために、普通のガムより少し高いキシリトールガムを選んでいます」
歯科医院でも、こうしたお話をよく耳にします。
でも、ここで一つ質問させてください。
キシリトールガムの効果は、本当にキシリトールという成分そのもののおかげなのでしょうか。
実は、キシリトールガムの虫歯予防効果を考えるうえで、まず大切なのは「砂糖を含まないガムを噛んで、唾液を出すこと」なんです。

唾液には、口の中の酸を中和したり、歯の表面の修復を助けたりする働きがあります。
では、キシリトールは普通のシュガーレスガムと同じなのでしょうか。
ここは少し慎重に考える必要があります。
キシリトール特有の効果については、以前から研究が行われてきました。2025年の新しい系統的レビューでは、虫歯に関係する細菌や歯垢を減らす作用が、ほかの甘味料を使ったガムより優れている可能性も報告されています。ただし、それが長期的にどれほど虫歯の発生を減らすのかについては、まだ不確実な部分があります。(3)(4)
つまり、キシリトールガムに意味がないわけではありません。
むしろ、毎日の虫歯予防を補助する選択肢の一つです。
ただ、高いガムを選べば必ず歯が守られる、というほど単純な話でもないんですね。
さらに、歯の表面に白く濁った部分がある方や、初期虫歯を指摘されたことがある方は、ガムの選び方が少し変わります。
今回は、普通のシュガーレスガム、キシリトールガム、マスティハ、再石灰化系ガムの4種類を比較します。
どれが一番高性能かという単純なランキングではありません。
あなたのお口の状態に、どれが合っているか。
その視点で、一緒に考えていきましょう。
咬合崩壊を専門領域とする歯科医師、アサノです。
まず確認!あなたはどのタイプのガムを選ぶべき?
歯にいいガムは、目的によって選び方が変わります。虫歯予防全般ならシュガーレスガムが基本的な選択肢になり、初期虫歯が気になる場合には再石灰化を補助する成分も検討できます。
ここで、あなたに一つ質問です。
ガムに期待していることは、次の3つのうち、どれに一番近いでしょうか。

A:とにかく虫歯を予防したい
今のところ大きな症状はないけれど、これ以上虫歯を増やしたくない。毎日の習慣として、歯にいいガムを取り入れたい方です。
B:歯の表面に白い濁りがある、または初期虫歯と言われたことがある
歯の一部分が白く見えたり、歯科医院で「まだ削らなくてもよい初期虫歯ですね」と言われたりした方です。
C:歯垢やお口のネバつきが気になる
歯を磨いているのにネバネバする、歯垢が付きやすい、口の中をもっとすっきりさせたいという方です。
今、どれか一つを心の中で決めておいてください。
記事の後半で、タイプ別におすすめの考え方をお話しします。
ガムを噛めば歯磨きをサボってもいい?
その前に、最初にはっきりさせておきたいことがあります。
「先生、ガムを噛んでいれば、昼の歯磨きくらいサボっても大丈夫ですよね?」
こう聞きたくなる方もいるかもしれません。
でも、それは違います。
どんなに優れた成分が入っていても、ガムは歯ブラシやフロスの代わりにはなりません。
虫歯予防の基本は、フッ化物(一般にフッ素と呼ばれる歯を守る成分)を配合した歯磨き剤による歯磨き、歯と歯の間の清掃、そして食生活の管理です。
ガムは、あくまでその上に足すもの。
ここを忘れてしまうと、せっかく虫歯予防のためにガムを買っているのに、一番大切な対策が抜け落ちてしまいます。(10)(12)
キシリトールガムの効果は本当?虫歯予防に役立つ理由
砂糖を含まないガムには、虫歯の増加を抑える可能性を示した研究があります。ただし、予防効果の中心となる仕組みの一つは唾液の分泌であり、キシリトールという成分だけですべての効果を説明できるわけではありません。
唾液は、口の中の「自動洗浄システム」
なぜ、ガムを噛むだけで歯にいいことがあるのでしょうか。
ここで登場するのが、唾液です。
私は唾液のことを、患者さんに「口の中の自動洗浄システム」と説明することがあります。
私たちが食事をすると、口の中ではさまざまな変化が起こります。
食べ物に含まれる糖などを利用して、歯垢の中の細菌が酸を作ります。
その酸によって、歯の表面にあるエナメル質から、カルシウムやリン酸などのミネラルが少しずつ溶け出します。
これを「脱灰(だっかい)」といいます。
「えっ、食事のたびに歯が溶けているんですか?」
そう聞くと、不安になりますよね。
でも、健康なお口の中では、脱灰が起きたからといって、すぐに虫歯の穴ができるわけではありません。
唾液には、酸を薄めて中和し、口の中の環境を元に戻そうとする働きがあります。
さらに、唾液中のカルシウムやリン酸などが歯の表面に戻り、溶けかけた部分の修復を助けます。
これが「再石灰化(さいせっかいか)」です。
私たちの歯は、日常生活の中で脱灰と再石灰化を繰り返しているんですね。
そして、ガムを噛むと唾液の分泌が増えます。
つまり、ガムを噛むことは、口の中に備わっている自動洗浄システムを働かせるきっかけになるわけです。(12)
シュガーレスガムの虫歯予防効果は約28%?
実際に、ガムを噛んでいる人と噛んでいない人で、虫歯の増え方に違いはあるのでしょうか。
2020年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、虫歯に関する12件の研究が統合されました。
系統的レビューとは、関連する研究を一定の基準で集めて評価する研究方法です。メタ解析は、複数の研究結果を統計的にまとめる方法です。
この報告では、砂糖を含まないガムを使用した人たちで、虫歯の増加が少ない傾向が認められました。
予防率の推計値は28%。95%信頼区間は7〜48%でした。(1)
ここは、数字の読み方が大切です。
「キシリトールガムを噛めば、誰でも虫歯になる確率が28%下がる」
という意味ではありません。
研究に参加した人たちの虫歯の増加量を比較して計算された値で、個人の将来の虫歯リスクをそのまま予測する数字ではないんです。
また、7〜48%という幅が示すように、効果の推計には不確実性があります。
研究ごとの条件や結果にもかなり違いがありました。
このため、研究者たち自身も、砂糖なしガムによる虫歯予防効果を暫定的な証拠として評価しています。
それでも、毎日の生活に取り入れやすい予防の補助手段として、注目する価値はあると思います。
ここで大切なのは、ガムを噛む習慣を過大評価することでも、軽く見てしまうことでもありません。
何が確認されていて、何がまだ不確かなのかを分けて理解することです。
キシリトールガムは何分噛む?1日何回が効果的?
食後に砂糖なしのガムを20分程度噛むことは、一つの実用的な目安です。ただし、すべての人が1日3〜4回噛まなければならないという医学的基準が確立しているわけではありません。
食後20分が目安になる理由
「先生、ガムって味がなくなったら捨てていいんですか?」
こういう疑問もありますよね。
味がなくなることと、唾液を出す働きが完全になくなることは同じではありません。
ガムを噛むという運動そのものにも、唾液の分泌を促す意味があります。
研究では、20分程度噛む条件が使われてきました。
たとえば2001年のShenらの研究では、30人の参加者が1回20分、1日4回、14日間ガムを噛む条件で、歯の再石灰化を調べています。(2)
ただし、この研究は再石灰化成分の効果を調べた試験です。
「すべての人が毎回20分噛まないと効果が出ない」ということを証明した研究ではありません。
英国のOral Health Foundationも、食後20分程度のシュガーレスガムが、酸性に傾いた口の環境を戻す助けになると説明しています。(12)
ですから、患者さんには「まず食後に20分くらい」を、無理のない目安としてお話しします。
1日3〜4回噛まないと意味がない?
研究では1日3〜4回の条件も見られますが、回数を増やせば増やすほど必ず虫歯予防効果が高まるわけではありません。
たとえば、朝食後、昼食後、夕食後。
食後の習慣として取り入れる方法は分かりやすいでしょう。
ただ、毎食後に噛まないと意味がない、と考える必要はありません。
私が診療でまずお聞きするのは、特別な成分の名前ではなく、
「1日に何回くらいなら噛めそうですか?」
「いつなら無理なく続けられますか?」
ということです。
昼食後だけでも、毎日続けられるなら、そこから考えていいんです。
ただし、顎に痛みがある方は長時間の咀嚼を避け、歯科医院で相談してください。
また、小さなお子さんや飲み込みに不安のある方は、窒息などの危険があるため無理にガムを使用しないでください。
キシリトールガムとシュガーレスガムの違いは?4種類を比較
キシリトールガムも、普通のシュガーレスガムも、砂糖を含まずに噛めるという点では共通しています。違いは配合されている甘味料や補助成分にあり、目的によって選ぶべきものが変わります。
まず、今回比較する4種類を整理しておきましょう。
| ガムの種類 | 主な特徴 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 普通のシュガーレスガム | 砂糖なしで噛み、唾液を促す | 日常的な虫歯予防の補助 |
| キシリトールガム | キシリトールを甘味料として使用 | 虫歯予防の補助、細菌・歯垢への作用も期待 |
| マスティハ | 天然樹脂由来。抗菌作用の研究がある | 味や香りの好み、口腔ケアの補助 |
| 再石灰化系ガム | CPP-ACP、POs-Caなどを配合 | 初期の脱灰・白斑への補助的対策 |
この4種類は、必ずしも同じ土俵で順位を付けられるものではありません。
何を改善したいのかによって、評価すべき効果も違うからです。
① 普通のシュガーレスガム:まずは砂糖が入っていないことが大切
最初は、特別な成分を強調していない、普通のシュガーレスガムです。
「それって、歯にいい成分が入っていないんじゃないですか?」
そう思われるかもしれません。
確かに、カルシウムなどの特殊な成分は入っていないかもしれません。
でも、唾液を出すという点では、立派に同じ土台に立っています。
噛むことで唾液が増え、口の中の酸の中和や清掃を助ける。
この働きは、必ずしも高価なガムでなければ得られないものではないんです。
ただし、一つだけ注意していただきたいことがあります。
ミント味だからといって、砂糖が入っていないとは限りません。
スッとする味のガムでも、砂糖や水あめを使用している商品があります。
もし今、お手元にガムがあるなら、パッケージの裏面を見てください。
原材料の最初のほうに「砂糖」や「水あめ」などが書かれていませんか。
砂糖を含むガムでも噛めば唾液は出ますが、砂糖そのものが虫歯に関係する細菌の酸産生に利用されます。
虫歯予防を目的とするなら、糖類を含むガムより、砂糖を含まないタイプを優先してください。
なお、「水あめ」と「還元水あめ」は同じものではありません。名称が似ていても性質が違うため、原材料名だけでなく、糖類ゼロなどの表示や栄養成分表示も合わせて確認しましょう。
私がガム選びの話をするとき、最初に見ていただきたいのは、広告に書かれている華やかな言葉ではありません。
裏面の原材料なんです。
② キシリトールガム:特別な効果はあるのか?
次は、皆さんが一番気になるキシリトールガムです。
「先生、キシリトール入りなら、普通のシュガーレスガムより最強なんですよね?」
ここは、誤解が多いところです。
キシリトールは糖アルコールと呼ばれる甘味料の一つで、砂糖の代わりに甘みを付けるために使用されます。
虫歯に関係する細菌が酸を作る材料として利用しにくいことが、大きな特徴です。
ただし、そこからすぐに、
「キシリトールが入っているガムは、ほかのシュガーレスガムより必ず虫歯を減らす」
とは言い切れません。
2015年のコクランレビューでは、キシリトールを含む製品について、複数の臨床研究が詳しく評価されました。
その中では、キシリトールを含むフッ化物歯磨き剤に一定の可能性が示された一方、ガムなどの製品形態については、十分に確かな結論を出せませんでした。(3)
「えっ、キシリトールガムって効果がないんですか?」
そう思いますよね。
でも、違います。
キシリトールガムは、砂糖を含まないガムとして使う意味があります。
問題は、そこにキシリトール特有の効果がどの程度上乗せされるか、ということなんです。
2025年の最新研究では、キシリトール特有の効果も示唆されている
ここは、元の動画台本から情報を更新した部分です。
2025年に発表されたSöderlingらの系統的レビューでは、キシリトールガムと、ソルビトールなど別の糖アルコールを使用したガムが比較されました。
その結果、比較可能な14研究のうち12研究で、キシリトールガムのほうが虫歯に関係するミュータンスレンサ球菌を減らす結果が報告されました。
また、歯垢の減少は10研究中6研究で、虫歯の発生については5研究中3研究で、キシリトール側に有利な結果が報告されています。(4)
つまり、キシリトール特有の作用がある可能性は、以前より具体的に示されているんです。
ただし、これで完全に決着したわけではありません。
虫歯の発生を比較した研究は5件に限られ、対象者や使用量、研究方法にも違いがありました。研究の質にもばらつきがあります。
細菌の数が減ることと、将来の虫歯が確実に減ることも、同じではありません。
新しいレビューの研究者たちも、臨床上どの程度の効果があるかについて、さらなる研究が必要だと述べています。
ですから、現時点で私がお伝えしたいのは、
キシリトールガムには、砂糖を含まないガムとしての基本的なメリットがあり、キシリトール特有の追加効果も示唆されています。ただし、その大きさはまだ十分に確定していません。
ということです。
「絶対にキシリトールでなければダメ」でもなければ、「キシリトールは無意味」でもありません。
その中間に、現在の研究から考えられる答えがあります。
マスティハガムの効果は?天然の抗菌作用と研究の限界
マスティハには、口の中の細菌や歯垢を減らす可能性を示した研究があります。ただし、研究規模は限られており、普通のシュガーレスガムより長期的な虫歯予防効果が優れているとまでは確認されていません。
ギリシャの天然樹脂「マスティハ」とは
三つ目は、少し変わったガムです。
マスティハという名前を聞いたことはありますか。

マスティハは、主にギリシャのキオス島で採取される木の樹脂です。
樹脂をそのまま噛むタイプのものであれば、一般的なガムのような甘味料や加工されたガムベースは含まれません。
独特の香りと噛み心地があり、天然のガムとして関心を持つ方もいらっしゃいます。
「先生、天然で抗菌作用もあるなら、こっちが一番よさそうですね」
そう感じる気持ちは分かります。
でも、天然だから効果が高いとは限りません。
ここも、研究の中身を見ていきましょう。
マスティハで歯垢や唾液中の細菌が減った研究
2003年のTakahashiらの研究では、健康な歯学部生20人が参加し、マスティハの効果を調べる二つの小規模試験が実施されました。(5)
そのうち歯垢や歯ぐきの炎症を調べた試験では、10人を対象に、7日間、通常の機械的な口腔清掃を行わない条件で比較しています。
結果として、マスティハを噛んだグループでは、対照グループより歯垢や歯肉の炎症を示す指標が低くなりました。
2006年のAksoyらの研究でも、歯周組織が健康な25人を対象に、マスティハを噛んだ後の唾液中のミュータンスレンサ球菌を調べています。
こちらでも、対照と比較して細菌数が少なくなる結果が報告されています。(6)
こう聞くと、すごく良さそうですよね。
ただし、少し注意が必要です。
研究の参加者は比較的少人数です。
歯磨きを中断した条件で行われた試験もあり、普段どおり歯磨きをしている一般の方と、同じ状況ではありません。
さらに、唾液中の細菌数が減ることと、将来の虫歯や歯周病が減ることは別の問題です。
そのため、マスティハの抗菌作用には可能性があるものの、長期的な予防効果まで確立しているとは言えません。
特別な抗菌成分がなくても、歯垢が減った研究
ここで、もう一つ紹介したい研究があります。
2024年に発表されたWeberらのランダム化比較試験です。
この研究では、矯正治療を受けている11〜22歳の52人を対象に、精油などの抗菌成分を含むガムと、市販の対照ガムを比較しました。
参加者は通常の歯磨きを続けながら、割り当てられたガムを15分間、1日4回、10日間使用しました。
結果として、両グループで歯垢や歯肉の炎症が改善しましたが、主要な臨床指標について、二つのガムの間に明確な差は認められませんでした。(7)
「えっ、普通のガムでも同じくらい改善したんですか?」
そうなんです。
この研究はマスティハそのものを比較した研究ではありません。
また、対象は矯正治療中の若い患者さんで、使用期間も短いため、すべての人やすべてのガムに当てはめることはできません。
それでも、特別な抗菌成分を加えたガムが、いつでも通常のガムより優れているとは限らないことを示しています。
私は、ここがとても大切だと思っています。
噛むことが基本。特別な成分は、目的に応じて考える追加の選択肢です。
マスティハが好きで、味や香りを楽しみながら続けられるなら、それは一つの選択です。
ただし、値段が高いから、天然だから、抗菌作用があると宣伝されているから、という理由だけで「普通のガムより確実に優秀」と判断する必要はありません。
もちろん、市販のマスティハ配合商品には、ほかの甘味料が使われているものもあります。
純粋な樹脂を噛む場合と、加工されたマスティハ入りガムを購入する場合では、原材料を分けて確認してください。
再石灰化ガムの効果は?初期虫歯や白い濁りが気になる人へ
CPP-ACPやPOs-Caなどを配合した再石灰化系ガムには、初期の脱灰を受けた歯のミネラル回復を助ける可能性があります。ただし、ガムだけで虫歯を治療できるわけではなく、歯科医院での診断と基本的な予防が大切です。
再石灰化とは、溶けかけた歯を修復する働き

四つ目は、再石灰化を助けることを目的としたガムです。
このタイプは、先ほどまでの3種類と少し立ち位置が違います。
普通のシュガーレスガムは、主に噛むことによって唾液を出すという考え方でした。
一方、再石灰化系ガムには、カルシウムなどを歯の表面で利用しやすくする目的の成分が配合されています。
代表的な成分が、CPP-ACPとPOs-Caです。
CPP-ACPは、牛乳のたんぱく質に由来する成分を利用して、カルシウムとリン酸を安定させたものです。
POs-Ca(ポスカ)は、じゃがいものでんぷんに由来するリン酸化オリゴ糖カルシウムです。
どちらも、歯の表面でミネラルを利用しやすくし、再石灰化を補助することが期待されています。
ただし、「カルシウムが入っているから、どんな虫歯でも治る」というものではありません。
歯に穴ができている虫歯と、表面がまだ保たれている初期の脱灰とでは、対応が違うんです。
CPP-ACP配合ガムの研究結果
CPP-ACPについては、人がガムを噛む環境で、歯の再石灰化を評価した研究が行われています。
2001年のShenらの研究では、参加者が歯の試験片を組み込んだ装置を口の中に装着し、ガムを噛む実験が行われました。
結果として、CPP-ACPを配合したガムでは、対照のガムよりも再石灰化が促進されました。(2)
また、2009年のYengopalらのメタ解析では、複数の短期試験をまとめ、CPP-ACP配合ガムに再石灰化を促す効果が認められています。
このレビューでは、2,720人を対象に24か月間行われた一つの大規模な試験も紹介されています。
そこでは、CPP-ACP配合ガムを使用したグループで、対照ガムのグループと比較して、歯面が虫歯へ進行するオッズが18%低いという結果が報告されました。(8)
ここで重要なのは、「オッズが18%低い」というのは、誰もが虫歯になる確率を18%減らせるという意味ではないことです。
また、長期間の実際の虫歯予防効果については、当時のレビューで利用できた大規模試験が限られていました。
つまり、CPP-ACPは期待できる成分ですが、製品や使い方に関係なく、すべての虫歯を防げると保証されたわけではありません。
POs-Ca配合ガムで白い濁りが改善した割合は48%
もう一つ、興味深い研究があります。
2016年に発表されたSugiuraらの研究です。
この研究では、歯の表面に白く濁った部分がある37人を対象に、3種類のガムを比較しました。
使用されたのは、通常の対照ガム、POs-Ca配合ガム、そしてPOs-Caにフッ化物を加えたガムです。
参加者は3か月間、1日3回ガムを噛みました。
その結果、歯の白い病変の見た目の評価が、ICDASスコア2から1に改善した割合は、次のようになりました。
- 通常の対照ガム:30%
- POs-Ca配合ガム:48%
- POs-Ca+フッ化物配合ガム:45%
ICDASとは、虫歯の状態を視診などで評価するための国際的な指標です。
また、光を使って歯の内部の状態を調べる検査でも、一部の評価項目で配合ガムに有利な変化が認められました。(9)
「先生、それなら白い濁りにはPOs-Caを選べばいいんですね?」
ここも、少し慎重に考えましょう。
確かに、前向きな結果です。
ただし、37人という小規模な研究で、期間も3か月でした。
48%という数字は、研究で使われた視覚的な評価指標が改善した割合です。
「48%の人の虫歯が完全に治った」という意味ではありません。
POs-Caにフッ化物を加えたグループが、すべての評価項目でPOs-Ca単独より優れていたわけでもありません。
こうした研究を考えると、再石灰化系ガムは、初期の脱灰が疑われる方にとって、検討する価値のある補助的な選択肢だと言えます。
ただし、最初からガムで治そうとするのではなく、歯科医院で状態を確認していただきたいんです。
歯に白い濁りがあるのは初期虫歯?
歯の表面に白く濁った部分が見えると、
「もしかして虫歯が始まっている?」
と心配になりますよね。
実際に、初期虫歯では、歯の表面のミネラルが減ることで白く見える場合があります。
このような白い病変は、ホワイトスポットと呼ばれることがあります。
ただし、すべての白い濁りが虫歯とは限りません。
歯が作られる過程で生じたエナメル質の変化や、フッ素症などによって白く見える場合もあります。
原因によって対応が違うので、見た目だけで自己判断することはおすすめしません。(13)
特に、次のような変化がある場合は注意してください。
- 白い濁りが茶色っぽく変化してきた
- 表面がざらざらしている、欠けたり穴ができたりしている
- 冷たいものがしみる、痛みを感じる
- 白い範囲が広がっているように見える
これらの症状だけで虫歯の進行が確定するわけではありませんが、確認が必要なサインです。
歯科医院では、視診や触診、必要に応じた画像検査などによって、原因や状態を評価します。
虫歯がまだ初期であれば、フッ化物の利用、食生活や清掃方法の改善、経過観察などが選択肢になります。
病変の状態によっては、別の処置が必要になることもあります。
ガムはその補助として考えてください。
CPP-ACPは乳アレルギーの人でも使える?
ここは必ず確認していただきたい点です。
CPP-ACPは牛乳のたんぱく質であるカゼインに由来する成分です。
そのため、牛乳のたんぱく質にアレルギーがある方は、CPP-ACPを配合した製品を避けてください。(11)
「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という乳糖不耐症と、乳たんぱく質のアレルギーは別のものですが、アレルギーが疑われる方は自己判断で使用しないでください。
再石灰化系のガムを選ぶ場合には、製品の成分表示や注意事項を必ず確認しましょう。
CPP-ACP以外の成分を使った製品もあります。
ただし、代替製品であっても、ほかの原材料に対するアレルギーや使用上の注意は個別に確認する必要があります。
迷った場合は、歯科医院で相談してください。
結局どれがいい?歯にいいガムの選び方を3タイプ別に解説
一般的な虫歯予防が目的なら、続けやすいシュガーレスガムが基本です。初期虫歯が気になる方は再石灰化系ガムも候補になりますが、歯垢やネバつきが気になる方は、まず歯磨きと歯間清掃を見直すことが大切です。
さて、最初にお聞きしたA、B、Cの質問を覚えていますか。
ここから答え合わせをしていきましょう。
A:とにかく虫歯を予防したい人
Aを選んだ方。
今、特に困った症状がなく、毎日の習慣として虫歯予防に取り組みたい方ですね。
その場合、まず選んでいただきたいのは、砂糖を含まないガムです。
普通のシュガーレスガムでも、キシリトールガムでも構いません。
キシリトール特有の効果には一定の研究結果がありますが、価格が高い商品を選ぶことだけが虫歯予防ではありません。
日常の習慣として続けられるかどうかが大切です。
味が好きか。
噛みやすいか。
無理のない価格か。
食後に取り入れられそうか。
こうした条件で選んでみてください。
「高いガムを買い足さないといけないのかな」と思っていた方も、今使っているガムが砂糖なしで、無理なく続けられているなら、急いで変える必要はありません。
B:白い濁りや初期虫歯が気になる人
Bを選んだ方。
あなたの場合は、少し考え方が変わります。
歯の表面に白い濁りがある、あるいは歯科医院で初期虫歯を指摘されたことがあるなら、再石灰化系ガムが選択肢の一つになります。
CPP-ACPやPOs-Caなど、歯のミネラル回復を補助することを目的とした成分には、一定の研究があります。
ただ、ガムを買う前に確認したいことがあります。
その白い濁りは、本当に初期虫歯なのでしょうか。
すでに穴ができていないでしょうか。
今の段階では削らずに経過を見られる状態なのでしょうか。
こうした判断は、歯科医院での診察が必要です。
特に、色が変わってきた、表面がざらついてきた、冷たいものがしみるという場合には、ガムに頼らず受診してください。
再石灰化ガムは、適切な虫歯管理の上に追加するものです。
また、乳アレルギーがある方は、CPP-ACP配合製品を避ける必要があります。
ここは忘れないでください。
C:歯垢や口のネバつきが気になる人
Cを選んだ方。
あなたの場合、最初に見直していただきたいのは、ガムの種類ではありません。
歯磨きと歯と歯の間の清掃です。
歯垢は、歯の表面に付着する細菌の集まりです。
ガムを噛むことで唾液が増え、お口の中がすっきりすることはあります。
マスティハのように、細菌や歯垢への作用を調べたガムもあります。
ただ、歯に付着した歯垢を十分に落とすためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどの機械的な清掃が欠かせません。
口のネバつきは、唾液の量の低下、口呼吸、清掃状態、歯周病など、さまざまな要因が関係することもあります。
ガムを噛めばすべて解決するというものではないんです。
普通のシュガーレスガムでも、唾液を促すという補助的な働きは期待できます。
マスティハが好きなら使用しても構いませんが、まずは日頃の清掃方法を確認してください。
ネバつきが続く、歯ぐきから出血する、口臭が強いなどの場合は、歯科医院で原因を調べてもらいましょう。
キシリトールガムは歯磨きの代わりになる?注意点とリスク
キシリトールガムは歯磨きやフッ化物配合歯磨き剤の代わりにはなりません。また、顎の痛み、甘味料による胃腸症状、アレルギー、誤飲・窒息のリスクにも注意が必要です。
フッ素入り歯磨き粉とガムは役割が違う
ここまでお読みいただくと、
「ガムも結構役に立つんですね。じゃあ昼の歯磨きはしなくても……」
と思う方もいるかもしれません。
でも、ここは違います。
ガムには、唾液を出すという利点があります。
一方で、歯ブラシは歯の表面に付着した歯垢を落とすために使います。
歯と歯の間の清掃には、フロスや歯間ブラシが役立ちます。
そして、フッ化物配合歯磨き剤は、虫歯予防の基本的な対策の一つです。
厚生労働省の情報でも、年齢に合った濃度と量のフッ化物配合歯磨き剤を使い、就寝前を含む1日2回の歯磨きを行う方法が紹介されています。(10)
ガムには、こうしたケアの代わりをする役割はありません。
仕事や学校などで食後すぐに歯磨きができない場合に、シュガーレスガムを補助として利用することはできます。
ただし、その後の歯磨きまで不要になるわけではありません。
私が「ガムは上に足すもの」とお伝えするのは、このためです。
顎関節が痛い人は、長時間噛まない
もう一つ、私が必ず確認するのが顎の状態です。
「口を開けると顎が痛い」
「噛んでいると顎が疲れる」
「顎の関節や筋肉に違和感がある」
そんな方が、虫歯予防のためだからと、無理に20分も30分も噛み続ける必要はありません。
顎の痛みがある場合、ガムを噛むことで症状が悪化することも考えられます。
無理をせず使用を控え、必要に応じて歯科医院に相談してください。
顎に負担をかけてまで続けるものではありません。
甘味料を一度に多く摂ると、お腹がゆるくなることも
キシリトールやソルビトールなどの糖アルコールは、摂取量や体質によって、腹部の張りや下痢などの症状を起こすことがあります。(3)
「歯にいいなら、たくさん噛んだほうがいいですよね」
そう考えて、短時間に何粒も食べるのはおすすめしません。
製品に表示されている使用上の注意を確認して、無理のない範囲で利用してください。
ガム選びの費用はどれくらいかかる?
費用についても、気になりますよね。
ガムは、普通のシュガーレスタイプ、キシリトール配合タイプ、特殊な成分を配合したタイプなどで価格が異なります。
ただし、今回は製品ごとの最新価格を調査した比較ではないため、具体的な販売価格は一律には示しません。
また、歯科医院での検査や治療が必要な場合、その費用は診療内容や保険適用の有無によって異なります。
大切なのは、高額なガムほど高い虫歯予防効果が得られるとは限らないことです。
特別なガムを買い続けるために、基本的な歯磨きや歯科受診を後回しにするのは、優先順位が逆です。
まず基本的な予防を続け、その上で予算に無理のない補助的な選択肢を考えてください。
歯科医師アサノが臨床で重視するガムの選び方
私がガムを勧めるときは、成分名より先に、患者さんがいつ、どのくらい噛めるかを確認します。ただし、初期虫歯などのリスクが認められる場合には、配合成分も考慮します。
ここからは、研究結果そのものではなく、私が臨床でどう判断しているかをお話しします。
ガムを勧めるとき、私は最初から「この成分が入ったものを買ってください」とはお話ししません。
まず聞くのは、毎日の生活についてです。
「朝ご飯のあとに噛めそうですか?」
「お昼休みにガムを噛む時間はありますか?」
「外出先でも続けられそうですか?」
というようなことです。
どんなに研究で有望な結果があっても、患者さんが実際に使えなければ、日常生活での役割は限られてしまいます。
一方で、歯の白い濁りや初期虫歯のリスクが気になる場合は、再石灰化成分の配合を考慮することがあります。
そのときも、ガムだけで対応するのではなく、虫歯の状態、歯磨きの方法、食事の回数、フッ化物の使用状況などを一緒に確認します。
そして、もう一つ確認するのが、顎の痛みです。
噛むことによって顎に負担が生じていないか。
アレルギーや胃腸症状などの問題はないか。
そこまで確認して、初めてその方に合う使い方を考えます。
歯医者さんに勧められてキシリトールガムを続けてきた人へ
ここで、少し気持ちの面のお話もさせてください。
「先生、歯医者さんに勧められてキシリトールガムをずっと噛んできました。それなのに、特別な効果がまだ確定していないなんて、今まで続けてきた意味はなかったんでしょうか?」
そんなふうに感じる方もいるかもしれません。
でも、私はそうは思いません。
砂糖入りのガムや飴を、砂糖を含まないガムに置き換えたこと。
食事のあとに噛む習慣を作ったこと。
自分の歯を守ろうと、毎日の生活を少し変えたこと。
それには十分な意味があります。
もちろん、ガムを噛んだから特定の歯が守られた、と個別に証明することはできません。
それでも、研究で示されている利点を考えると、その習慣を無駄だったと考える必要はありません。
私が患者さんに伝えたいのは、今まで頑張ってきたことを否定する話ではないんです。
続けてきた習慣の中で、何が大切だったのかを知ってほしい。
そう思っています。
特別な成分を完全に否定する必要もありません。
キシリトール特有の作用を支持する研究もありますし、再石灰化を補助する成分に一定の可能性が示されていることも事実です。
ただ、それらを利用するときにも、基本的な予防や毎日の習慣が土台になる。
ここを大切にしていただきたいんです。
まとめ|キシリトールガムの効果を活かすために大切なこと
キシリトールガムは、砂糖を含まないガムとして虫歯予防を補助する選択肢です。キシリトール特有の効果も示唆されていますが、ガムの種類だけに頼らず、歯磨き・フッ化物・歯間清掃と組み合わせることが大切です。
今回の内容を、最後に整理しましょう。
まず一つ目。
ガムを選ぶときは、砂糖が入っていないかを確認すること。
キシリトールという名前だけに注目するのではなく、裏面の原材料や表示を見てください。
普通のシュガーレスガムでも、唾液を出すという基本的な役割があります。
二つ目。
初期虫歯や歯の白い濁りが気になる場合は、再石灰化系ガムも選択肢になること。
ただし、白い濁りの原因は一つではありません。
ガムで自己判断せず、歯科医院で状態を確認してください。
CPP-ACP配合製品は、牛乳のたんぱく質にアレルギーがある方には適しません。
三つ目。
どんなガムも、歯磨きやフッ化物配合歯磨き剤の代わりにはならないこと。
ここは本当に忘れないでいただきたいところです。
私がお伝えしたいのは、特別な商品を次々に買い足しましょう、という話ではありません。
今使っているガムが砂糖なしで、問題なく続けられているなら、それを活かす方法もあります。
明日からできることを一つ挙げるなら、食後に砂糖を含まないガムを適量、20分程度を目安に噛んでみることです。
もちろん、顎に痛みがある方やガムが安全に噛めない方は無理をしないでください。
そして、白い濁りが変化したり、歯がざらついたり、冷たいものがしみたりする場合は、歯科医院で相談してください。
歯を守るために大切なのは、特別な商品だけではありません。
毎日続けられる小さな習慣と、自分の口の状態に合った予防を知ること。
その積み重ねが、将来の歯を守ることにつながっていきます。
私はそのことを、皆さんに知っていただきたいと思っています。
歯科医師アサノでした。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. キシリトールガムは本当に虫歯予防に効果がありますか?
砂糖を含まないガムには、虫歯の増加を抑える可能性を示した研究があります。キシリトール特有の追加効果も研究されていますが、予防効果の大きさは使用条件などによって異なります。歯磨きやフッ化物の補助として利用してください。
Q2. キシリトールガムの効果がないと言われるのはなぜですか?
キシリトールの効果がまったくないという意味ではありません。砂糖なしのガムを噛む効果と、キシリトール固有の効果を区別して考える必要があるためです。2025年の研究レビューでは、キシリトール特有の作用も示唆されていますが、長期的な虫歯予防効果には研究上の限界があります。
Q3. キシリトールガムは食後に何分、1日何回噛めばいいですか?
食後20分程度が実用的な目安です。研究では1日3〜4回噛む条件も使われていますが、すべての人に必要な回数が確立しているわけではありません。顎に負担をかけず、無理なく続けられる方法を考えましょう。
Q4. キシリトールガムと普通のシュガーレスガムはどちらがおすすめですか?
一般的な虫歯予防の補助なら、どちらも選択肢になります。キシリトールには細菌や歯垢に対する固有の作用を示唆する研究がありますが、価格や味、続けやすさも大切です。砂糖が含まれていないことを確認して選んでください。
Q5. 歯の白い濁りは再石灰化ガムで治りますか?
CPP-ACPやPOs-Ca配合ガムには、再石灰化を促す可能性を示した研究があります。ただし、白い濁りは初期虫歯以外の原因でも生じます。ガムで必ず治るとは言えないため、歯科医院で診断を受けてください。
Q6. マスティハガムはキシリトールガムより効果がありますか?
マスティハには抗菌作用を示唆する研究がありますが、キシリトールガムより虫歯予防効果が高いと結論付けるには十分なデータがありません。天然由来という理由だけで優劣を判断せず、原材料や使用目的を確認してください。
Q7. 乳アレルギーがあっても再石灰化ガムを使えますか?
CPP-ACPは牛乳のたんぱく質に由来するため、乳たんぱく質アレルギーがある方はCPP-ACP配合製品を避けてください。ほかの成分を使用した製品もありますが、それぞれの原材料と注意事項を確認し、歯科医院に相談してください。
10. 引用文献
(1)Newton JT, et al. A Systematic Review and Meta-Analysis of the Role of Sugar-Free Chewing Gum in Dental Caries. JDR Clin Trans Res. 2020;5(3):214-223.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31743654/
論文要約: シュガーレスガムと虫歯の発生・進行に関する12研究のメタ解析。予防率は28%(95%信頼区間7〜48%)。研究間のばらつきが大きい。
引用理由: ガムによる虫歯予防効果を定量的に説明し、限界も明確にするため。
(2)Shen P, et al. Remineralization of enamel subsurface lesions by sugar-free chewing gum containing CPP-ACP. J Dent Res. 2001;80(12):2066-2070.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11808763/
論文要約: 30人によるランダム化クロスオーバー試験。20分間、1日4回、14日間の使用条件で、CPP-ACP配合ガムの再石灰化作用を評価。
引用理由: 研究における咀嚼時間と、CPP-ACPの再石灰化作用を示すため。
(3)Riley P, et al. Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(3).
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25809586/
論文要約: キシリトール配合製品の虫歯予防効果を検討したコクランレビュー。製品形態によって証拠の質が異なり、ガムなどについては根拠が不十分。
引用理由: キシリトール固有の効果について、過度に断定しないため。
(4)Söderling E, Pienihäkkinen K. Specific effects of xylitol chewing gum on mutans streptococci levels, plaque accumulation and caries occurrence: a systematic review. BMC Oral Health. 2025;25:1275.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40731400/
論文要約: キシリトールガムと、ほかの糖アルコール配合ガムを比較した研究の系統的レビュー。細菌数、歯垢、虫歯発生におけるキシリトール特有の作用が示唆されたが、臨床効果には追加研究が必要。
引用理由: 2015年以降の新しい知見を反映し、台本の結論を最新研究に合わせるため。
(5)Takahashi K, et al. A pilot study on antiplaque effects of mastic chewing gum in the oral cavity. J Periodontol. 2003;74(4):501-505.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12747455/
論文要約: 歯学部生20人が参加した二つの小規模試験。歯垢と歯肉炎症を調べた試験は10人で実施され、マスティハに有利な結果が報告された。
引用理由: マスティハの抗歯垢作用と、小規模・短期研究である限界を説明するため。
(6)Aksoy A, et al. In vitro and in vivo antimicrobial effects of mastic chewing gum against Streptococcus mutans and mutans streptococci. Arch Oral Biol. 2006;51(6):476-481.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16343417/
論文要約: 実験室での試験と、25人の健康な成人を対象にした研究。マスティハ使用後の唾液中細菌数の変化を評価。
引用理由: 抗菌作用の可能性を示す一方、実際の虫歯予防効果とは区別するため。
(7)Weber J, et al. Randomized controlled clinical trial on the efficacy of a novel antimicrobial chewing gum in reducing plaque and gingivitis in adolescent orthodontic patients. Clin Oral Investig. 2024;28:272.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38664261/
論文要約: 11〜22歳の矯正患者52人を対象に、抗菌成分配合ガムと対照ガムを比較。歯垢と歯肉炎症は両群で改善し、主要指標の群間差は明確でなかった。
引用理由: 特別な抗菌成分を加えることが必ずしも追加の臨床効果をもたらすとは限らないことを説明するため。
(8)Yengopal V, Mickenautsch S. Caries preventive effect of casein phosphopeptide-amorphous calcium phosphate (CPP-ACP): a meta-analysis. Acta Odontol Scand. 2009;67(6):321-332.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19701818/
論文要約: CPP-ACPに関する研究を統合し、短期の再石灰化効果を報告。24か月、2,720人の試験でも虫歯進行に関する有利な結果が示された。
引用理由: CPP-ACPの効果を短期的な再石灰化と長期的な虫歯進行に分けて説明するため。
(9)Sugiura M, et al. White spot lesion remineralization by sugar-free chewing gum containing bio-available calcium and fluoride: A double-blind randomized controlled trial. J Dent. 2016;54:86-91.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27639827/
論文要約: 白斑を有する37人を対象に、3種類のガムを3か月間比較。ICDAS評価の改善割合は対照30%、POs-Ca48%、POs-Ca+フッ化物45%。
引用理由: 初期虫歯に関連する白斑の改善可能性と、効果指標の意味を正確に伝えるため。
(10)厚生労働省. フッ化物配合歯磨剤. e-ヘルスネット. 2023.
URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-007.html
資料要約: 年齢に応じたフッ化物濃度・使用量と、就寝前を含む1日2回の歯磨きについて説明。
引用理由: ガムより優先すべき基本的な虫歯予防について、公的資料で裏付けるため。
(11)GC Europe. Tooth Mousse: Product information and contraindications. メーカー製品情報.
URL:https://www.gc.dental/europe/en-SA/products/toothmousse
資料要約: CPP-ACPが牛乳のカゼイン由来であること、乳たんぱく質アレルギーに関する禁忌を明記。
引用理由: CPP-ACP配合製品のアレルギーリスクを確認するため。
(12)Oral Health Foundation. Sugar free chewing gum. 2026年10月15日更新.
URL:https://www.dentalhealth.org/chewing-gum
資料要約: シュガーレスガムが唾液分泌と酸の中和を助け、食後20分程度の利用が目安となること、歯磨きの代わりにはならないことを説明。
引用理由: 患者さんが毎日の生活で実践する際の使用方法を補強するため。
(13)Jandu J, Dzyuba N, Barry S. White enamel lesions in children: considering caries, chronological and congenital causes and their consequent care. Br Dent J. 2021;230:523-527.
URL:https://www.nature.com/articles/s41415-021-2838-x
論文要約: 歯の白い病変には虫歯、フッ素症、形成上の異常など複数の原因があり、適切な診断が必要であることを解説。
引用理由: 歯の白い濁りを初期虫歯と決めつけず、安全な受診案内につなげるため。











