監修:歯科医師 浅野真秀
「胃が悪いから、口臭が出ているのかもしれない」
「お腹の中から息をきれいにするサプリを飲んだほうがよいのかな」
「人と話すときに、少し距離を取られている気がする」
このような不安を抱えたまま、一人で悩んでいませんか。
こんにちは。東京・目黒のキュアデンタルクリニックで院長を務めている、歯科医師の浅野です。
口臭は、とてもデリケートな悩みです。歯科医院に行って、受付や先生に「口臭が気になります」と伝えるだけでも、勇気が必要ですよね。

特に40代、50代、60代の患者さんからは、「家族に指摘されて以来、近くで話すのが怖くなってしまった」「孫と顔を近づけるのをためらってしまう」というご相談を受けることがあります。
ここで、最初にお伝えしたいことがあります。
口臭で悩んでいるからといって、清潔感がないわけではありません。むしろ、真面目で、ご家族への配慮ができる方ほど、なんとか改善しようとして一生懸命に努力されています。
ただし、その努力の方向が少しずれていると、せっかくのケアが十分に役立たないことがあります。
この記事では、口臭が本当に胃からくるのか、歯周病や舌苔、ドライマウスとどのような関係があるのか、そして今日から取り入れられるセルフケアを、できるだけわかりやすくお話しします。
口臭は胃からくる?最初に知っておきたい答え
口臭の大部分は、胃ではなく口の中に原因があります。ただし、逆流性食道炎などの消化器疾患が関係する場合もあります。まず歯科で口腔内の原因を調べ、胸やけや酸っぱい逆流がある場合は内科にも相談することが大切です。
スマートフォンを見ていると、次のような広告が目に入ることがあります。
「あなたの口臭、実は胃から来ているかもしれません」
「一粒飲むだけで、お腹の中から息をすっきり」
「体の内側からバラのような香りに」
こうした言葉を見ると、つい期待してしまいますよね。
誰にも相談せず、こっそり始められる。歯科医院に行かなくてもよい。飲むだけで悩みが消えるかもしれない。
その気持ちは、よくわかります。
ただし、口臭が続いている場合に大切なのは、香りで覆うことではありません。原因がどこにあるのかを確認することです。
胃の中のにおいが常に口まで上がってくるわけではありません

食道と胃の境目には、下部食道括約筋という筋肉があります。これは、食べ物が胃に入るときにはゆるみ、胃の内容物が食道へ逆流しないよう、通常は閉じて働いています。
患者さんには、私はよく「潜水艦のハッチ」のようなものだと説明します。
胃の中と口の中が、いつも開きっぱなしで直結しているわけではありません。ですから、「今日は胃が少し疲れているから、そのにおいがそのまま上がってきている」と単純に考える必要はありません。
ただし、逆流性食道炎などの例外はあります
一方で、胃からくる口臭を完全に否定することもできません。
胃食道逆流症、いわゆる逆流性食道炎では、下部食道括約筋が弱くなったり、必要のないときにゆるんだりすることで、胃の内容物が食道へ逆流します。胸やけ、酸っぱいものが上がってくる感覚、のどの違和感、慢性的なせきなどが起こる場合があります。
胃食道逆流症と口臭の関連を示した研究もあります(3)(4)。そのため、歯科的な原因が見つからない場合や、胸やけ、げっぷ、酸っぱい逆流、飲み込みにくさなどがある場合は、消化器内科への相談も必要です。
ここで大事なのは、次の考え方です。
「胃からくる口臭は絶対にない」と決めつける必要はありません。
しかし、「口臭が気になるから、最初に胃だけを疑う」という順番もおすすめできません。
まずは、口の中を確認する。
そのうえで、必要があれば内科と連携する。
これが現実的な進め方です。
口臭の原因の多くは口の中にあります
病的口臭の原因として最初に確認したいのは、歯周病、舌苔、歯垢、むし歯、唾液の減少、清掃しにくい被せ物や入れ歯などです。日本口腔外科学会は、病的口臭の90%以上が口腔内に原因を持つと説明しています。
2012年に発表された総説論文では、口臭の約85%が口腔内に由来すると整理されています(1)。分類方法によって数字には幅がありますが、どちらにしても、最初に歯科で確認する価値が高いことは変わりません。
口臭の正体は、揮発性硫黄化合物です

口臭の主な原因物質は、揮発性硫黄化合物です。英語の頭文字を取って、VSCと呼ばれます。
少し難しく聞こえますが、簡単にいえば、口の中の細菌が作る悪臭ガスです。
代表的なものには、硫化水素やメチルメルカプタンがあります。特に歯周病に関係する細菌は、強いにおいを持つメチルメルカプタンを産生します。日本歯科医師会も、揮発性硫黄化合物と歯周病の関係を解説しています。
Miyazakiらの研究では、口腔内の揮発性硫黄化合物と、口腔内の健康状態との関連が検討されています(2)。
患者さん向けにお話しするなら、口の中の細菌が、食べかす、剥がれ落ちた粘膜、血液などに含まれるタンパク質を分解するときに、においのあるガスが生まれると考えてください。
温泉の硫黄のにおいを、さらに濃く、生臭くしたようなにおいです。
少し刺激的な例えですが、夏場に長時間置かれた生ゴミを想像するとわかりやすいかもしれません。
口の中で同じことを起こさないためには、細菌のすみかと栄養源を減らす必要があります。
口臭を悪化させる可能性がある「間違った努力」
口臭が気になると、強いケアをしたくなります。しかし、強くこすることや、香りで隠すことだけに頼るのはおすすめできません。口臭対策では、刺激を増やすより、原因を見つけて丁寧に整えることが大切です。
舌を歯ブラシで何度もゴシゴシ磨いていませんか?

鏡を見ると、舌の表面に白っぽい汚れが付いていることがあります。
これは舌苔と呼ばれます。舌苔は、舌の表面に付着した細菌や剥がれ落ちた粘膜などが集まったもので、口臭の重要な原因の一つです。日本口腔外科学会も、舌苔を口臭の原因として挙げています。
ただし、ここで焦ってはいけません。
舌の表面は、フローリングの床のようにツルツルではありません。細かく柔らかな構造を持っています。例えるなら、繊細な絨毯のようなものです。

そこを硬い歯ブラシで、力を入れて、何度も往復するとどうなるでしょうか。
汚れだけでなく、舌の表面まで傷つける可能性があります。
舌清掃そのものは、口臭対策として役立つ場合があります。臨床試験では、舌ブラシより舌スクレーパーのほうが揮発性硫黄化合物を減らしたという結果もあります(5)。ただし、小規模な研究であり、誰にでも同じ方法が最適とは限りません。
Cochraneレビューでも、舌清掃器具は歯ブラシよりVSCを減らす可能性が示されていますが、エビデンスの強さには限界があると整理されています(6)。
ですから、合言葉は「強く削る」ではありません。
専用の舌ブラシや舌クリーナーを使い、奥から手前へ、なでるようにやさしく動かしてください。痛み、出血、ヒリヒリ感がある場合は中止し、歯科医院で相談しましょう。
マウスウォッシュだけで口臭を治そうとしていませんか?
マウスウォッシュを使った直後は、口の中がすっきりします。
それ自体が悪いわけではありません。製品や使い方によっては、日常のセルフケアを補助する役割があります。
ただし、歯周ポケットの奥に歯周病の原因がある場合や、厚い舌苔、むし歯、合わなくなった被せ物などがある場合、洗口液だけで原因を取り除くことはできません。
香りが強い製品を何度も使うと、一時的に安心してしまい、必要な受診が遅れることもあります。
また、口の乾きや刺激感がある方は、アルコールを含む製品が合わないことがあります。乾燥を感じる場合は無理に続けず、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
「マウスウォッシュを使っているから大丈夫」ではなく、「自分の原因に合った補助ケアとして使えているか」を考えることが大切です。
サプリメントだけで根本改善を目指していませんか?
「誰にも相談せずに、飲むだけで改善したい」
その気持ちは、とても自然です。
ただし、歯周病による深い歯周ポケット、歯石、進行したむし歯、合わない被せ物、舌苔などは、サプリメントを飲むだけでは取り除けません。
食品として販売されている商品と、歯科医院で行う診察、検査、歯周病治療は役割が異なります。
高額な商品を買う前に、一度だけでも歯科医院で原因を確認してください。結果として大きな問題が見つからなければ、それも安心材料になります。
40代・50代・60代女性が気をつけたいドライマウスと歯周病
40〜60代では、口の乾燥や歯周病の進行が口臭に影響することがあります。特に、朝のネバつき、歯磨き時の出血、口の乾き、歯ぐきの腫れがある場合は、一度歯科医院で確認しましょう。
ドライマウスは、口臭を強める要因になります
唾液は、ただ口を濡らしているだけではありません。
口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑え、粘膜を守る働きがあります。日本口腔外科学会も、唾液が減ると口の中が乾燥し、口臭が強くなりやすいと説明しています。
米国国立歯科・頭蓋顔面研究所も、ドライマウスでは唾液が不足し、むし歯や口腔内の感染症のリスクが高まると案内しています。
患者さんには、唾液を「自分の体が作ってくれる天然の洗浄液」と説明することがあります。
唾液が少ないと、細菌にとって居心地のよい環境ができてしまいます。
口の乾燥は、ストレス、口呼吸、水分不足、加齢、薬の副作用、糖尿病、シェーグレン病など、さまざまな理由で起こります。更年期前後の女性では、ホルモン変化に伴う口腔内の変化も報告されています。
「年齢のせいだから仕方ない」と我慢する必要はありません。原因によって対策が異なるため、症状が続く場合は歯科医院で相談してください。
歯周病は、痛みが少ないまま進むことがあります
40代以降で特に注意したいのが、歯周病です。
歯周病は、歯の周囲に付着したプラークに含まれる細菌の影響によって、歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支える骨が失われていく病気です。
怖いのは、初期には痛みが少なく、自分で気づきにくいことです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、歯周病のセルフチェック項目として、朝起きたときのネバつき、歯磨き時の出血、口臭、歯ぐきの腫れ、歯のぐらつきなどを挙げています。
歯周病が進むと、歯と歯ぐきの境目に深い歯周ポケットができます。
この場所は、ご自宅での歯磨きだけでは十分に清掃しにくくなります。細菌がたまり、歯ぐきから出血し、においの原因となる物質が生まれやすくなります。
ここで大事なのは、口臭を単なるエチケットの問題として終わらせないことです。
口臭は、歯周病などのサインとして現れる場合があります。
だからこそ、香りで隠すだけで終わらせず、歯ぐきの状態まで確認してほしいのです。
毎朝60秒から始める口臭セルフケア
口臭対策では、朝のやさしい舌清掃、唾液腺マッサージ、日中の水分補給、夜の歯間清掃を組み合わせます。ただし、強い口臭が続く場合は、セルフケアだけで済ませず、歯科医院で原因を確認してください。
朝:舌をやさしく清掃する
起床直後は、唾液の分泌が少なくなり、口臭を感じやすい時間帯です。日本口腔外科学会も、起床直後や空腹時、緊張時には唾液が減少し、揮発性硫黄化合物が増えやすいと説明しています。
朝の舌清掃では、柔らかい専用ブラシや舌クリーナーを使います。
奥から手前へ、やさしく動かしてください。
力を入れて何度も往復する必要はありません。汚れを無理に完全除去しようとすると、舌を傷つける可能性があります。
痛みや出血があれば、その日は中止してください。
朝:唾液腺マッサージを取り入れる

口が乾いている方は、唾液腺マッサージを試してみてください。
2023年に発表されたランダム化比較試験では、唾液分泌量が少ない高齢の2型糖尿病患者さんを対象として、3カ月間の唾液腺マッサージプログラムが検討されました。マッサージ群では、安静時と刺激時の唾液分泌量、客観的な口腔乾燥症状、嚥下、口腔衛生状態の改善が報告されています(7)。
ただし、この研究は特定の対象者に行われたものです。すべての方に同じ効果があると断定することはできません。
あくまで、負担の少ない補助的なセルフケアとして取り入れてください。
耳下腺のマッサージ

耳の前、頬の後ろ側あたりに指を当てます。
4本の指を使って、後ろから前へ、円を描くようにやさしく動かします。痛みが出るほど強く押す必要はありません。
顎下腺のマッサージ

耳の下から、顎の内側に沿って親指を当てます。
顎の骨の内側を、後ろから前へ少しずつ位置を変えながら、斜め上にやさしく押します。
舌下腺のマッサージ

顎の先に近い部分の内側を、親指でやさしく押し上げます。
口の中に唾液が出てくる感覚があれば十分です。
顔や首に腫れ、強い痛み、発熱などがある場合は、自己流で刺激せず、医療機関を受診してください。

日中:水分を少しずつ取る

仕事や家事に集中していると、口が乾いていることに気づかない場合があります。
緊張やストレスによっても、口の乾きを感じやすくなります。
日中は、水を少しずつ飲んでください。
一度に大量に飲む必要はありません。口の中が乾ききる前に、一口ずつ補うイメージです。
カフェインを含む飲み物だけに偏らず、水も取り入れましょう。
夜:フロスや歯間ブラシを使う

夜のセルフケアでは、歯と歯の間の汚れを意識してください。
歯ブラシだけでは、歯間部まで十分に清掃しにくい場合があります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、プラークコントロールを高めるために、歯間ブラシやデンタルフロスの併用が必要と説明されています。
米国歯科医師会も、デンタルフロスや歯間清掃器具は、歯と歯の間にたまる汚れやプラークを除去し、歯周病やむし歯のリスク低減に役立つと案内しています。
歯間ブラシは、すき間の大きさに合ったサイズを使うことが大切です。
無理に押し込むと歯ぐきを傷つけます。初めて使う方は、一度だけでも歯科衛生士にサイズと動かし方を確認してもらってください。
口臭の相談は、恥ずかしいことではありません
歯科医院に行くとき、「口臭だけで相談してもよいのかな」と迷う方がいらっしゃいます。
もちろん、相談して大丈夫です。
むしろ、口臭をきっかけに歯周病、むし歯、ドライマウス、被せ物の不具合などが見つかることがあります。
相談するときは、難しく説明する必要はありません。
「家族に指摘されて気になっています」
「朝起きたときのにおいとネバつきが強いです」
「マウスウォッシュを使っても改善しません」
「舌が白く、口の中も乾きます」
このように、そのまま伝えてください。
キュアデンタルクリニックでは、歯周病治療やインプラント治療に注力し、患者さんのお悩みに応じた診療を行っています。目黒駅東口から徒歩3分の場所にあります。
歯科を先に受診したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、歯科医院で口の中を確認してください。
- 朝、口の中がネバネバする
- 歯磨きのときに出血する
- 歯ぐきが腫れる
- 舌苔が目立つ
- 口が乾きやすい
- 歯がぐらつく
- 被せ物の周囲に汚れがたまりやすい
- 入れ歯のにおいが気になる
- 口臭が長期間続いている
消化器内科にも相談したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、歯科に加えて、消化器内科にも相談してください。
- 胸やけが続く
- 酸っぱいものが口まで上がってくる
- げっぷが多い
- のどの違和感や慢性的なせきがある
- 飲み込みにくい
- 食欲低下や体重減少がある
- 黒い便、血を吐くなどの症状がある
胸痛、持続する嘔吐、飲み込みにくさ、消化管出血が疑われる症状、原因不明の体重減少などがある場合は、早めの医療機関受診が必要です。
まとめ:胃を疑う前に、まず口の中を確認してください
口臭が気になると、自分だけが強いにおいを発しているように感じて、不安になりますよね。
人と話すときに少し距離を取りたくなる。
家族の反応が気になる。
マスクを外すのが怖い。
歯科医院で相談することさえ恥ずかしい。
そのお気持ちは、決して珍しいものではありません。
ただ、一人で悩み続ける必要もありません。
口臭の大部分は、歯周病、舌苔、歯垢、むし歯、唾液の減少など、口の中の状態と関係しています。
まずは、朝のやさしい舌清掃、唾液腺マッサージ、日中の水分補給、夜の歯間清掃を始めてください。
そして、症状が続く場合は、歯科医院で原因を確認しましょう。
胸やけや酸っぱい逆流などがあれば、消化器内科にも相談してください。
正しい知識は、いたずらに不安をあおるためのものではありません。
「自分は、次に何をすればよいのか」を見つけるためのものです。
7. よくある質問
Q1. 口臭は胃からくるのですか?
口臭の大部分は、歯周病、舌苔、歯垢、唾液の減少など、口の中に原因があります。ただし、逆流性食道炎などの消化器疾患が関係する場合もあります。まず歯科で口腔内を確認し、胸やけや酸っぱい逆流がある場合は消化器内科にも相談してください。
Q2. 胃からくる口臭の治し方はありますか?
胃食道逆流症などが関係している場合は、消化器内科で原因に応じた治療を受けます。口臭だけで自己判断せず、胸やけ、げっぷ、逆流感、のどの違和感なども医師に伝えてください。
Q3. 舌が白いときは、強く磨いたほうがよいですか?
強く磨く必要はありません。舌苔は口臭の原因になりますが、舌はデリケートです。柔らかい専用ブラシや舌クリーナーを使い、奥から手前へやさしく清掃してください。痛みや出血がある場合は中止しましょう。
Q4. マウスウォッシュだけで口臭は改善しますか?
一時的な爽快感や補助的な役割は期待できますが、歯周病、歯石、進行したむし歯、厚い舌苔などを洗口液だけで解決することはできません。長く続く口臭は、歯科医院で原因を確認してください。
Q5. 更年期になると口臭が強くなることはありますか?
更年期前後では、ホルモン変化に伴って口腔乾燥などが起こる場合があります。ただし、口の乾燥には薬の副作用、ストレス、糖尿病、シェーグレン病など、複数の原因があります。自己判断せず、症状が続く場合は相談してください。
Q6. 唾液腺マッサージは毎日行ってもよいですか?
痛みがない範囲で、やさしく行ってください。唾液腺マッサージによって唾液分泌量や口腔乾燥症状が改善した研究がありますが、強い痛み、腫れ、発熱がある場合はマッサージを中止し、医療機関へ相談してください。
Q7. 口臭の相談だけで歯医者に行ってもよいですか?
問題ありません。口臭は、歯周病、むし歯、舌苔、ドライマウスなどを見つけるきっかけになります。恥ずかしがらず、そのまま悩みを伝えてください。
引用文献
医学論文
(1) Bollen CML, Beikler T. Halitosis: the multidisciplinary approach. Int J Oral Sci. 2012;4:55-63.
論文要約:口臭の原因、診断、治療を多領域の視点から整理した総説。口腔内の状態が主要な原因であり、歯科医師や歯周病治療を担う医療者が初期対応で重要な役割を持つと説明しています。
この記事で引用した理由:口臭の大部分が口腔内に由来することを説明するため。
(2) Miyazaki H, Sakao S, Katoh Y, Takehara T. Correlation between volatile sulphur compounds and certain oral health measurements in the general population. J Periodontol. 1995;66:679-684.
論文要約:揮発性硫黄化合物と口腔内の健康指標との関連を検討した研究です。
この記事で引用した理由:口臭の原因物質であるVSCと口腔内環境の関係を説明するため。
(3) Struch F, Schwahn C, Wallaschofski H, et al. Self-reported halitosis and gastro-esophageal reflux disease in the general population. J Gen Intern Med. 2008;23:260-266.
論文要約:一般集団を対象に、自己申告による口臭と胃食道逆流症との関連を検討した研究です。
この記事で引用した理由:胃からくる口臭を完全否定せず、逆流性食道炎などの例外を説明するため。
(4) Moshkowitz M, Horowitz N, Leshno M, Halpern Z. Halitosis and gastroesophageal reflux disease: a possible association. Oral Dis. 2007;13:581-585.
論文要約:上部消化管症状を持つ患者を対象に、胃食道逆流症と口臭との関連を検討した研究です。
この記事で引用した理由:胸やけ、逆流感、げっぷなどがある場合に、消化器内科への相談も必要であることを説明するため。
(5) Pedrazzi V, Sato S, de Mattos MGC, Lara EHG, Panzeri H. Tongue-cleaning methods: a comparative clinical trial employing a toothbrush and a tongue scraper. J Periodontol. 2004;75:1009-1012.
論文要約:舌ブラシと舌スクレーパーを比較した小規模クロスオーバー試験。舌スクレーパーはVSCの減少で良好な結果を示しました。
この記事で引用した理由:舌清掃は必要でも、硬い歯ブラシで強くこする方法が最適とは限らないことを説明するため。
(6) Outhouse TL, Al-Alawi R, Fedorowicz Z, Keenan JV. Tongue scraping for treating halitosis. Cochrane Database Syst Rev. 2006;(2):CD005519.
論文要約:舌清掃器具の有効性を検討したレビュー。舌スクレーパーや舌クリーナーは歯ブラシよりVSCを減らす可能性がありますが、エビデンスの強さには限界があります。
この記事で引用した理由:舌磨きを過度に断定せず、利益と限界を両方記載するため。
(7) Jeamanukulkit S, Vichayanrat T, Samnieng P. Effects of the salivary gland massage program in older type 2 diabetes patients on the salivary flow rate, xerostomia, swallowing and oral hygiene: A randomized controlled trial. Geriatr Gerontol Int. 2023;23:549-557.
論文要約:唾液分泌量の少ない高齢の2型糖尿病患者を対象としたランダム化比較試験。3カ月間の唾液腺マッサージプログラムにより、唾液分泌量、口腔乾燥症状、嚥下、口腔衛生状態の改善が報告されました。
この記事で引用した理由:唾液腺マッサージを、過度に断定せず、補助的なセルフケアとして案内するため。
公的機関・学会資料
(8) 日本口腔外科学会. 口臭がひどい|口腔外科相談室.
資料要約:病的口臭の90%以上が口腔内に原因を持つこと、歯周病、むし歯、歯垢、歯石、舌苔、唾液減少などが関係することを説明しています。
この記事で引用した理由:患者さん向けに、原因と受診目安をわかりやすく示すため。
(9) National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of GER & GERD.
資料要約:胃食道逆流症の原因、胸やけ、逆流、のどや肺の症状、受診が必要な症状を説明しています。
この記事で引用した理由:胃からくる口臭が疑われる場合の内科受診目安を示すため。
(10) National Institute of Dental and Craniofacial Research. Dry Mouth.
資料要約:唾液不足により、むし歯や口腔内感染症のリスクが上昇することを説明しています。
この記事で引用した理由:ドライマウスと口腔環境の関係を説明するため。
(11) 厚生労働省 e-ヘルスネット. 歯周疾患の自覚症状とセルフチェック.
資料要約:朝のネバつき、歯磨き時の出血、口臭、歯ぐきの腫れ、歯のぐらつきなど、歯周病のセルフチェック項目を掲載しています。
この記事で引用した理由:読者が受診の必要性を判断しやすくするため。
(12) 厚生労働省 e-ヘルスネット. 歯みがきを助けるもの.
資料要約:歯間部や隣接面のプラークコントロールを高めるため、歯間ブラシやデンタルフロスの併用が必要と説明しています。
この記事で引用した理由:夜の歯間清掃をセルフケアに入れる根拠とするため。











