歯科医師の浅野真秀です。毎日歯を磨いているのに、虫歯や歯ぐきの出血、口臭が気になる方へ。デンタルフロスの効果、歯ブラシだけでは足りない理由、歯間ブラシとの違い、歯磨き前に行う「フロスファースト」の始め方を歯科医が解説します。
監修・執筆:歯科医師 浅野 真秀
対象:虫歯、歯周病、口臭を予防したい一般の方
毎日きちんと歯を磨いている。それなのに虫歯が見つかる。歯ぐきから血が出る。口臭も気になる。

こうなると、「もっと長く磨いたほうがいいのかな」「高い電動歯ブラシに変えたほうがいいのかな」と考えますよね。
もちろん、歯ブラシはお口のケアの基本です。毎日の歯磨きをやめてよいという話ではありません。
ただ、ここで大事なのは、歯ブラシは必要だけれど、歯ブラシだけでは届きにくい場所があるということです。
その代表が、歯と歯の間です。
デンタルフロスの効果をひと言で言うと、歯ブラシの毛先が届きにくい歯間部のプラークを物理的に取り除くことです。
プラークとは、歯の表面に付着する細菌を含んだ柔らかい汚れです。水に溶けにくいため、うがいやマウスウォッシュだけで十分に取り除くことはできません。(1)(2)(健康日本21)
この記事では、なぜ歯ブラシだけでは不十分なのか、デンタルフロスにはどのような効果が期待できるのか、歯間ブラシとはどう使い分けるのか、そして続けるために何から始めればよいのかを、できるだけわかりやすくお話しします。
デンタルフロスの効果は、歯と歯の間のプラークを落とすこと
デンタルフロスは、細い糸を歯と歯の間に入れて、歯の側面に沿わせながらプラークを取り除く補助清掃用具です。
歯ブラシによる清掃は、歯の表側、裏側、噛む面には有効です。ただし、歯と歯の間を十分に清掃することは難しいとされています。(1)(健康日本21)
部屋の掃除を想像してください。
リビングの真ん中を毎日きれいに掃除していても、ソファーの下や家具のすき間、テレビの裏にホコリが残っていたらどうでしょう。
見える場所はきれいでも、見えない場所には汚れがたまっていきます。
お口の中もよく似ています。
歯の表面がツルツルしていても、歯と歯が接する部分や、その少し下の狭いすき間には、歯ブラシの毛先が届きにくいことがあります。
だからこそ、歯ブラシを丁寧に使うことと、お口全体のプラークを落とせていることは、同じではないのです。
「歯磨き粉を良いものに変えたら大丈夫ですか」と聞かれることがあります。
歯磨き粉にも役割はあります。ただし、歯間部に付着したプラークが残っている場合、香りや清涼感だけで原因そのものを取り除くことはできません。
まず必要なのは、歯ブラシと歯間清掃用具を組み合わせて、汚れを物理的に落とすことです。(2)(健康日本21)
歯ブラシだけでは不十分なのはなぜ?虫歯・歯周病・口臭との関係

歯ブラシだけでは届きにくい歯間部に、プラークが残ることがあるからです。
ただし、虫歯、歯周病、口臭は、原因が一つだけの病気ではありません。フロスを使えばすべて解決するという話でもありません。
それぞれの特徴を分けて考えましょう。
歯と歯の間の虫歯は見つけにくい
虫歯というと、噛む面に黒い穴があくイメージを持つ方が多いと思います。
ところが、歯と歯の間にも虫歯はできます。

歯間部は鏡で見えにくく、初期には症状を自覚しにくい場所です。隣り合う歯の接触部周辺で進行すると、見た目だけではわかりにくいこともあります。
フロスは歯間部のプラークを取り除くために役立ちますが、虫歯の有無をセルフケアだけで判断することはできません。診断には歯科医師の診察が必要で、状態によってはエックス線検査などを行います。
また、フロスを使っていて、いつも同じ場所で引っかかる、切れる、ほつれる、痛みがあるという場合には、虫歯、歯石、詰め物や被せ物の不具合などが隠れている可能性があります。
無理に通し続けず、歯科医院で確認してください。
ここで誤解してほしくないのは、「フロスをすれば虫歯にならない」とは言い切れないことです。
虫歯の発生には、プラークだけでなく、食生活、フッ化物の利用、唾液、歯の質など複数の要因が関係します。歯間清掃は大切ですが、定期的な検診や必要な予防処置と組み合わせて考えることが重要です。(3)(コクラン)
フロスで血が出るのは、歯ぐきの炎症のサインかもしれない
歯周病は、歯の表面だけの問題ではありません。

歯と歯ぐきの境目や歯間部などにプラークがたまり、歯ぐきに炎症が起きるところから始まります。進行すると、歯を支える組織や骨に影響が及ぶことがあります。(4)(健康日本21)
歯ぐきの炎症とプラークの関係を示した古典的な研究として、Löeらの実験的歯肉炎の研究があります。

健康な歯ぐきの人が口腔清掃を中止すると、プラークの蓄積に伴って歯肉炎が起き、清掃を再開すると改善することが示されました。(5)(PubMed)
フロスを初めて使った時に血が出ると、不安になりますよね。
出血には、歯ぐきに炎症がある場合と、強い力で傷つけてしまった場合があります。
毎回同じ場所から出血する、腫れがある、出血が続く、痛みがあるという場合は、自己判断で放置せず歯科医院で診てもらってください。
一方で、やさしく正しい方法で歯間清掃を続けることは、日々のプラークコントロールに役立ちます。
日本歯周病学会のガイドラインでも、歯ブラシに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的清掃用具を用いる機械的プラークコントロールが基本とされています。(6)
フロスをした時に臭いがするなら、歯間部の汚れを見直す
フロスをしたあと、糸から嫌な臭いがして驚いた経験はありませんか。
口臭には複数の原因があります。

舌の表面に付着する舌苔、歯周病、口腔内のプラーク、食べかす、口の乾燥などが関係することがあります。
歯間部に残った汚れも見逃せません。細菌が関わる汚れをそのままにして、香りの強い歯磨き粉やマウスウォッシュだけで覆い隠そうとしても、根本的な対策にならない場合があります。(2)(7)(健康日本21)
大切なのは、臭いを香りでごまかすのではなく、原因を確認することです。
フロスを使った時に特定の場所だけ強く臭う、歯ぐきから出血する、口臭が長く続くという場合には、歯周病や虫歯などが隠れていないか歯科医院で確認しましょう。
また、口臭のすべてが歯間部の汚れから生じるわけではありません。
舌苔、乾燥、全身状態なども関係します。フロスは大切な対策の一つですが、それだけで改善しない場合には原因を切り分ける必要があります。
デンタルフロスは本当に効果がある?研究からわかること
デンタルフロスや歯間ブラシには、歯ブラシだけでは届きにくい場所を清掃するという明確な役割があります。
ただし、研究結果は「どの器具でも、誰にでも、同じ程度の効果が出る」と言っているわけではありません。
Cochraneのシステマティックレビューでは、歯ブラシにフロスを追加すると、歯ブラシだけの場合と比べて、短期から中期の歯肉炎を減らす可能性があるとまとめられています。
一方で、プラーク減少効果が明確かどうかは不確かで、全体としてエビデンスの確実性は低い、または非常に低いと評価されています。
歯間ブラシについては、歯ブラシに追加すると短期的に歯肉炎やプラークを減らす可能性が示されています。(3)(コクラン)
ここは、とても大事なところです。
「フロスは万能です」と強く言い切るのも正確ではありませんし、「研究で不確かな部分があるから使う意味がない」と考えるのも違います。
歯間部は歯ブラシだけでは清掃しにくい。その場所に届く道具を、歯並びや歯ぐきの状態に合わせて正しく使う。

これが現実的な考え方です。
また、Axelssonらの30年間の長期研究では、継続的な予防プログラムと定期的なメインテナンスを受けた集団で、虫歯、歯周病、歯の喪失が少なかったと報告されています。(8)(PubMed)
この研究からも、特別なことを一度だけ行うのではなく、毎日のセルフケアと歯科医院でのメインテナンスを続けることが重要だとわかります。
高い電動歯ブラシを買う前に、高級な歯磨き粉を探す前に、まず自分が歯と歯の間を毎日清掃できているかを確認してみてください。
電動歯ブラシにも良さはありますが、歯間部の清掃にはフロスや歯間ブラシの併用が必要になる場合があります。(9)(健康日本21)
フロスは歯磨きの前後どちら?続けるなら「フロスファースト」
この記事では、フロスを歯磨きの前に使う「フロスファースト」をおすすめします。
理由は二つあります。
一つは、習慣化しやすいからです。
歯ブラシで磨いたあとに口の中がさっぱりすると、「今日はもういいか」とフロスを後回しにしやすくなります。
人間は、面倒なことを後回しにすると、なかなか続けられません。
もう一つは、順番を比較した小規模なランダム化比較試験で、フロスのあとに歯磨きを行う順番が、逆の順番より歯間部のプラーク減少とフッ化物保持の点で良好だったと報告されているためです。(10)(PubMed)
ただし、ここにも条件があります。
この研究だけで、すべての人にとって唯一の正解だと断定することはできません。
何より大切なのは、自分に合った方法で歯間清掃を継続することです。
すでに「歯磨きのあとにフロス」という順番で無理なく毎日続けられている方が、順番を変えたためにやめてしまう必要はありません。
まだ習慣がない方は、まず夜だけで構いません。
寝る前に、歯ブラシより先にフロスを手に取る。
これを最初の目標にしましょう。
デンタルフロスの正しい使い方:ただ通すだけで終わらせない
デンタルフロスは、歯と歯の間に一度パチンと通して抜けば終わり、ではありません。
大切なのは、左右の歯の面に沿わせてプラークを取り除くことです。(1)(健康日本21)
フロスの基本手順

ロールタイプのフロスは適度な長さに切り、指に巻きつけます。
糸を歯と歯の間にゆっくり入れ、接触点を越えたら、片側の歯の面に沿わせます。

歯ぐきの少し下までやさしく入れ、歯の面をこするように動かして、接触点の方向へ掻き出します。
反対側の歯の面も同じように清掃します。
ポイントは、力任せに押し込まないことです。
勢いよくパチンと入れると、歯ぐきを傷つけることがあります。
前歯だけで満足せず、見えにくい奥歯まで丁寧に行いましょう。
最初は鏡を見ながら、ゆっくり行ってください。
ホルダータイプのほうが扱いやすい方もいます。
大切なのは、道具の形にこだわりすぎることではなく、無理なく継続できる方法を選ぶことです。
毎日完璧にできなくても、まず夜1回から始める
最初から完璧を目指すと、面倒になって続きません。
朝も昼も夜も、毎回すべての歯にフロスをしなければならない、と考えると始める前に疲れてしまいます。
まずは、夜の歯磨き前に1日1回。
フロスを手に取るところから始めてください。
慣れてきたら、奥歯まで丁寧に行う。
必要な場所には歯間ブラシを追加する。
ブリッジ、インプラント、歯ぐきが下がった部分がある方は、歯科医院で清掃方法を確認する。
この順番で十分です。
フロスと歯間ブラシの違い:どちらを使えばいい?
歯間部が狭い場所にはフロス、すき間がある場所には歯間ブラシが向いています。
どちらか一つだけを選ぶのではなく、お口の状態によって使い分けることが大切です。(1)(6)(健康日本21)
すき間が狭い場所にはデンタルフロス
隣り合う歯が接していて、歯間ブラシが入りにくい場所には、細い糸を通すデンタルフロスが適しています。
歯の側面に沿わせて使いましょう。
歯ぐきが下がった場所やブリッジ、インプラント周囲では歯間ブラシを検討する

歯と歯のすき間が大きい方、歯ぐきが下がっている方、ブリッジやインプラントが入っている方は、歯間ブラシが向いている場合があります。
ただし、サイズ選びはとても重要です。
太すぎる歯間ブラシを無理に押し込むと、歯や歯ぐきを傷つけるおそれがあります。
逆に細すぎると、十分な清掃ができない場合があります。
歯間ブラシは、歯のすき間より少し小さめのものを選び、歯科医院で自分に合うサイズを確認してもらうと安心です。(1)(健康日本21)
インプラントがある方は、自己流で強くこすらず、清掃器具の種類と動かし方を歯科医院で確認してください。
天然の歯もインプラントも、周囲の清掃を続けることが大切です。
フロスで出血や痛みがある時はどうする?

軽い出血があった時に、すぐ「フロスが悪い」と決めつける必要はありません。
しかし、出血を放置してよいとも言い切れません。
まず、勢いよく糸を押し込んでいないか、歯ぐきを強く傷つけていないかを見直してください。
やさしく使っても毎回同じ場所から出血する場合、その場所に炎症がある可能性があります。
歯ぐきの腫れ、口臭、痛み、歯の揺れなどがあれば、歯周病の検査を受けることが大切です。(4)(健康日本21)
出血が続く、痛みが強い、膿が出る、歯がぐらつく、顔が腫れる、強い痛みがある場合には、早めに歯科医院を受診してください。
セルフケアは大切ですが、セルフケアだけで治療できない状態もあります。
なぜフロスは続かないのか:意志ではなく、順番の問題

フロスが大切だとわかっていても、続かない方は少なくありません。
これは、意志が弱いからではありません。

歯ブラシを終えた時点で口の中がすっきりすると、「今日はもう十分かな」と感じやすいからです。
ここでおすすめしたいのが、洗面台にフロスを出しておき、歯ブラシより先に手に取る仕組みを作ることです。
習慣を続ける時は、頑張るよりも、迷わない状態を作るほうがうまくいきます。
最初の1週間は、全部の歯を完璧に清掃できなくても構いません。

まずは、夜の歯磨き前にフロスを取り出す。
次に、前歯だけではなく奥歯にも通してみる。
慣れてきたら、歯の面に沿わせて汚れを掻き出す動きを意識する。
このように少しずつ進めてください。
フロスを使うことが目的ではありません。
歯間部のプラークを落とすことが目的です。
だから、使い方がわからない、奥歯に届かない、いつも同じところで切れるという場合には、歯科医院で一度見てもらうことが近道です。
マウスウォッシュだけでは口臭対策にならないことがある
マウスウォッシュを使うと、口の中がさっぱりします。
ただし、プラークは粘着性があり、水に溶けにくいため、うがいだけでは取り除くことができません。(2)(健康日本21)
これは、お皿にこびりついた汚れを、水で流すだけでは落としきれないのと似ています。
必要なのは、歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどを使って、汚れを物理的に除去することです。
一方で、口臭には舌苔や口の乾燥、歯周病なども関係します。
歯間清掃を続けても口臭が気になる場合は、舌の状態、唾液量、歯ぐきの状態、虫歯や補綴物の状態などを確認する必要があります。
気になる症状が続く時は、歯科医院で相談してください。(7)(Nature)
定期検診とメインテナンスも必要です
毎日のセルフケアはとても大切です。
しかし、自分で落としにくいプラークや、自分では除去できない歯石もあります。
歯周ポケットの深い部分や、複雑な形の補綴物の周囲などは、歯科医院で状態を確認する必要があります。(6)
歯科医院では、歯ぐきの出血、歯周ポケット、歯石、虫歯、詰め物や被せ物の状態、ブリッジやインプラント周囲の清掃状態などを確認します。
必要に応じて、歯科医師や歯科衛生士が、自分の口に合うフロスや歯間ブラシの種類、サイズ、動かし方を具体的に説明します。
受診の間隔は、お口の状態によって異なります。
虫歯や歯周病のリスク、治療歴、インプラントの有無、セルフケアの状態などを踏まえて、担当の歯科医師や歯科衛生士と相談してください。
費用について:セルフケア用品と歯科受診は分けて考える
デンタルフロスや歯間ブラシは、市販品を購入して自宅で使えます。
価格は製品、形状、本数によって異なります。
歯科医院で清掃指導や検査を受ける場合の費用は、診療内容、保険適用の有無、必要な処置によって変わります。
自由診療のクリーニングやメインテナンスを受ける場合には、費用、内容、通院回数を事前に確認してください。
この記事だけで個別の費用を断定することはできません。
こんな時は早めに歯科医院へ
次のような状態がある場合は、フロスだけで様子を見続けず、歯科医院で相談してください。
- 歯ぐきからの出血が続く
- 歯ぐきが腫れている
- 膿が出る
- 歯がぐらつく
- 噛むと痛い
- 冷たいものや甘いものがしみる
- フロスがいつも同じ場所で切れる
- 強い口臭が長く続く
- インプラント周囲に腫れや出血がある
こうした症状の原因は一つではありません。
虫歯、歯周病、詰め物や被せ物の不具合などが考えられますが、診断には診察や必要な検査が必要です。
早めに原因を確認することが、結果として治療の負担を抑えることにつながります。
デンタルフロスの効果を活かすために、今夜から変えること
毎日3回、まじめに歯を磨く。
電動歯ブラシにもこだわる。
歯磨き粉も選ぶ。
それ自体は、決して悪いことではありません。
ただ、歯ブラシだけで満足しているなら、今夜から順番を変えてみてください。
歯ブラシファーストではなく、フロスファースト。

まずフロスで歯と歯の間を清掃する。
必要な場所には歯間ブラシを使う。
そのあとに、歯ブラシで歯の表面、歯と歯ぐきの境目、噛む面を丁寧に磨く。
これで、見える場所だけでなく、見えにくい場所にも意識が向きます。
私はインプラント治療に携わっていますが、天然の歯に勝るものはありません。
だからこそ、治療が必要になってから慌てるのではなく、今ある歯を守るための習慣を今日から始めてほしいと思っています。
高い電動歯ブラシを買う前に。
高級な歯磨き粉を選ぶ前に。
まずは、寝る前の1日1回。
歯ブラシより先にフロスを手に取ってください。
7. よくある質問
デンタルフロスは本当に効果がありますか?
歯ブラシだけでは清掃しにくい歯間部のプラークを取り除くために役立ちます。歯ブラシに追加すると歯肉炎を減らす可能性がありますが、効果の大きさは口腔内の状態や使い方によって異なります。(1)(3)(健康日本21)
フロスは歯磨きの前と後のどちらがよいですか?
続けやすさを重視するなら、歯磨き前の「フロスファースト」がおすすめです。小規模な比較試験でも、フロスのあとに歯磨きを行う順番が、歯間部のプラーク減少とフッ化物保持の点で良好だったと報告されています。(10)(PubMed)
フロスで血が出たら、やめたほうがよいですか?
強く押し込んで傷つけている場合は、使い方を見直してください。やさしく使っても同じ場所から出血が続く場合には、歯ぐきに炎症がある可能性があります。歯科医院で確認しましょう。(4)
フロスをした時に臭いがするのはなぜですか?
歯間部に残ったプラークや食べかすが関係している可能性があります。ただし、口臭には舌苔、歯周病、乾燥など複数の原因があるため、臭いが続く場合には歯科医院で相談してください。(2)(7)
フロスと歯間ブラシはどちらを使えばよいですか?
歯間部が狭い場所にはフロス、すき間がある場所には歯間ブラシが向いています。歯ぐきが下がっている方、ブリッジやインプラントがある方は、歯科医院で適切な器具とサイズを確認してください。(1)(6)
マウスウォッシュを使えばフロスは不要ですか?
不要にはなりません。プラークは水に溶けにくいため、うがいだけでは十分に取り除けません。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどによる機械的な清掃が基本です。(2)(健康日本21)
引用文献
(1)厚生労働省系公的資料:歯間部清掃
1/谷口奈央. 歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ). e-ヘルスネット. 2021.
URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-008.html
要約:歯ブラシだけでは歯間部の清掃が十分ではないこと、狭い歯間部にはフロス、すき間がある場所には歯間ブラシが向くこと、具体的な使用方法を解説しています。
この記事で引用した理由:デンタルフロスの役割、使い方、歯間ブラシとの使い分けを説明するため。(健康日本21)
(2)厚生労働省系公的資料:プラーク
2/福田英輝. プラーク/歯垢. e-ヘルスネット. 2024.
URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/teeth/yh-031.html
要約:プラークは口腔内の常在菌と産生物からなる沈着物で、粘着力があり、水に溶けないため、うがいだけでは取り除けないと説明しています。
この記事で引用した理由:マウスウォッシュだけでは十分な対策にならない理由を説明するため。(健康日本21)
(3)歯間清掃用具に関するシステマティックレビュー
3/Worthington HV, et al. Home use of interdental cleaning devices, in addition to toothbrushing, for preventing and controlling periodontal diseases and dental caries. Cochrane Database Syst Rev. 2019;4:CD012018.
論文要約:歯ブラシにフロスを追加すると、短期から中期の歯肉炎を減らす可能性があります。歯間ブラシの追加は短期的な歯肉炎やプラークの減少に役立つ可能性があります。ただし、エビデンスの確実性は低い、または非常に低いと評価されています。
この記事で引用した理由:フロスを万能な方法として過度に強調せず、研究の限界も含めて説明するため。(コクラン)
(4)厚生労働省系公的資料:歯周病の症状
4/内藤徹. 歯周疾患の自覚症状とセルフチェック. e-ヘルスネット. 2021.
URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-003.html
要約:歯周病では、歯ぐきの出血、口臭、腫れ、歯のぐらつきなどが見られることがあり、気になる症状があれば歯科医療機関で検査を受ける必要があると説明しています。
この記事で引用した理由:フロスで出血する時の受診目安を安全に示すため。(健康日本21)
(5)プラーク蓄積と歯肉炎の関係
5/Löe H, Theilade E, Jensen SB. Experimental gingivitis in man. J Periodontol. 1965;36:177-187.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14296927/
論文要約:口腔清掃を中止するとプラークが蓄積し、歯肉炎が生じることを示した古典的研究です。
この記事で引用した理由:プラークコントロールの重要性を説明するため。(PubMed)
(6)日本歯周病学会ガイドライン
6/日本歯周病学会. 歯周治療のガイドライン2022. 2022.
URL:https://www.perio.jp/publication/upload_file/guideline_perio_2022.pdf
要約:歯ブラシや補助的清掃用具による機械的プラークコントロールを基本とし、患者さんの状態に合わせて歯間ブラシやデンタルフロスなどを選択する重要性を示しています。
この記事で引用した理由:歯間清掃用具を画一的ではなく、口腔内の状態に合わせて選ぶ必要性を説明するため。
(7)歯周病と口臭の関係
7/Lee YH, Shin SI, Hong JY. Investigation of volatile sulfur compound level and halitosis in patients with gingivitis and periodontitis. Sci Rep. 2023;13:13175.
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-023-40391-3
論文要約:歯肉炎や歯周炎の患者群と健康な対照群で、口臭に関係する揮発性硫黄化合物を測定した研究です。歯周病と口臭の関連が示されています。
この記事で引用した理由:口臭の原因が香りだけで解決できる問題ではなく、歯周組織の状態を確認する必要があることを説明するため。(Nature)
(8)長期メインテナンスと歯の喪失予防
8/Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults: results after 30 years of maintenance. J Clin Periodontol. 2004;31:749-757.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15312097/
論文要約:継続的なプラークコントロールと定期的なメインテナンスを受けた集団で、虫歯、歯周病、歯の喪失が少なかったと報告した長期研究です。
この記事で引用した理由:一時的な対策ではなく、毎日のセルフケアと定期的な管理が重要であることを説明するため。(PubMed)
(9)電動歯ブラシと歯間清掃
9/谷口奈央. 歯みがきを助けるもの(電動歯ブラシ・歯磨剤・洗口液). e-ヘルスネット. 2021.
URL:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-007.html
要約:電動歯ブラシは歯面清掃に役立つ一方、歯間部や隣接面の清掃効果は低いため、フロスや歯間ブラシとの併用が必要になると説明しています。
この記事で引用した理由:高い電動歯ブラシだけで歯間清掃を代替できるわけではないことを説明するため。(健康日本21)
(10)フロスと歯磨きの順番
10/Mazhari F, Boskabady M, Moeintaghavi A, Habibi A. The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: a randomized controlled clinical trial. J Periodontol. 2018;89:824-832.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29741239/
論文要約:フロスのあとに歯磨きを行う順番と、歯磨きのあとにフロスを行う順番を比較した小規模なランダム化比較試験です。フロスを先に行う順番で、歯間部のプラーク減少とフッ化物保持が良好だったと報告されています。
この記事で引用した理由:「フロスファースト」の根拠を、断定しすぎない形で示すため。(PubMed)











