「この歯は、もう抜くしかありませんね」
歯科医院でそう言われて、納得できないまま帰ってきたことはありませんか?
「本当に抜かないといけないの?」
「痛くないのに、どうして抜くの?」
「ほかの歯医者さんだったら、残せるんじゃないだろうか?」
そんな疑問が頭を離れず、インターネットで「抜歯と言われた」「歯を残す方法」と調べて、この記事にたどり着いた方もいると思います。
そんなあなたに、最初にお伝えしたいことがあります。
抜歯と言われても、その理由と緊急性を確認することが大切です。
ただし、ここには重要な例外があります。
顔が大きく腫れている、熱が出ている、口が開きにくい、飲み込みにくい。こうした症状がある場合は、重い感染症の可能性があります。
また、歯の根が縦に割れる「歯根破折」が確認されている場合は、保存が難しいことが多く、治療方針を早めに決める必要があります。
一方で、歯周病で骨が減った歯でも、適切な治療と定期的な管理によって、長期間残せる可能性があることが研究で示されています。
つまり、抜歯と言われた歯は、すべて同じではないんです。
この記事では、抜歯を勧められたときに歯科医師へ聞いてほしい3つの質問をお伝えします。
そして、歯を残せる可能性があるのはどんな状態なのか、どんな場合には抜歯が必要になるのか、医学論文や歯周病の診療ガイドラインをもとに説明します。
難しい専門用語も、できるだけかみ砕いてお話しします。
正しい知識が、あなたの歯を守ります。
咬合崩壊専門の歯科医、アサノです。
まずは、特に急いで対応してほしい状態からお話ししましょう。
抜歯と言われたら最初に確認|待ってはいけない症状と歯根破折
抜歯を勧められたとき、最優先で確認すべきなのは、歯を残せるかどうかではなく、感染が広がる危険がないかということです。特に顔の腫れや発熱、飲み込みにくさなどがある場合は、抜歯の相談より先に緊急の診察が必要になります。
顔の腫れ・発熱・口が開かない場合は早めの受診が必要
抜歯と言われた歯がある方に、まず確認してほしいことがあります。
今、顔が腫れていませんか?
熱は出ていませんか?
口は普段どおりに開きますか?
唾液を飲み込むのに苦労していませんか?
こうした症状は、歯や歯ぐきの感染が周囲の組織へ広がっているときに現れることがあります。
特に、飲み込みにくい、息苦しい、声が変わる、目の周囲や首まで腫れている、口が著しく開かない場合は、救急外来での緊急評価が必要です。
呼吸や飲み込みに異常があれば、歯科医院の次の予約を待たず、救急要請を含めて対応してください。
顔の腫れと発熱がある場合も、当日中に歯科・口腔外科などへ相談することを勧めます。
英国NHSも、歯性感染症に伴う呼吸・嚥下困難や著しい開口障害などを、緊急対応が必要な症状として挙げています。(1)
「でも先生、前に歯ぐきがぷくっと腫れたことがあるんです。2日くらいで引いたので、大丈夫なんじゃないですか?」
こう思う方もいるでしょう。
ここで知っておいてほしいのは、歯ぐきの一部分が腫れている状態と、顔の輪郭が変わるほど腫れている状態は違うということです。
鏡を見て、左右の頬の輪郭を比べてみてください。
明らかな左右差があったり、腫れが広がってきたりしていませんか?
ただし、見た目だけで感染の重症度は判断できません。顔の左右差がないから安全というわけでもないんです。
また、一度腫れが引いたとしても、感染の原因が解消しているとは限りません。
痛みや腫れが自然に軽くなったからといって、自己判断で治療を中止しないでください。
ここは、歯を残すか抜くか以前に大切な問題です。
歯根破折とは?歯の根が縦に割れている場合
もう一つ、抜歯を真剣に検討する必要がある状態があります。
それが「歯根破折(しこんはせつ)」です。
歯根破折とは、歯ぐきの中に埋まっている歯の根が割れてしまうことです。
特に、根が縦方向に割れる「垂直性歯根破折」は、歯を残すことが難しくなる代表的な原因の一つです。
少し、家に例えてみましょう。
歯を家だとすると、歯の根は建物を支える柱のようなものです。
その柱が縦に割れてしまっていたら、周りの地盤をどれだけ整えても、元どおりに強い柱として使うのは難しいですよね。
歯もこれと似ています。
根の割れ目には細菌が入り込みやすく、周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる場合があります。
2022年のPatelらによる総説では、垂直性歯根破折は根管治療を受けた歯の抜歯原因の一つであり、確実に歯を保存する治療法は限られていると説明されています。(2)
2024年のOrishkoらの総説でも、歯根破折は予後を悪くする重要な要因であり、基本的には抜歯が主な治療選択肢になるとされています。(3)
ただし、すべての歯根破折で歯全体の抜歯しかないわけではありません。
複数の根を持つ奥歯では、条件によって問題のある根だけを取り除く治療が検討される場合もあります。
また、歯のどの位置まで割れているのか、破折の程度はどうかによっても判断は変わります。
重要なのは、破折が本当にあるのか、そして修復できる状態なのかという点です。
「歯の根が割れているかもしれない」と言われた場合は?
ここで、よくある質問があります。
「先生、割れているかもしれないと言われたんですけど、はっきり割れているとは言われていないんです」
この場合は、どうでしょうか。
実は歯根破折は、歯科医師にとっても診断が難しいことがあります。
通常のレントゲンでは破折線が見えない場合がありますし、歯科用CTであるCBCTを使っても、必ず確定できるとは限りません。
破折の周囲に特徴的な骨の変化が見られることはありますが、それだけで断定できない症例もあるんです。(2)
ですから、「割れている疑いがある」と「割れていることが確認された」は分けて考える必要があります。
ただし、破折が確定するまで何もしなくてよい、という意味ではありません。
破折が疑われる段階でも、痛み、腫れ、歯周ポケット、レントゲン所見などから、早めの精密検査や処置が必要なことがあります。
歯科医師には「破折が確認できているのか、それとも疑いの段階なのか」「確認するためにどんな検査が必要なのか」を聞いてください。
ここまでが、特に注意してほしい歯の状態です。
次は、歯周病が理由で抜歯と言われた場合についてお話しします。
歯周病で抜歯と言われた歯は残せる?判断基準を解説
歯周病で骨が大きく減っていても、すべての歯が直ちに抜歯になるわけではありません。残っている骨の量に加えて、歯の揺れ、清掃できるかどうか、噛む力、炎症の状態などを総合的に判断します。
歯周病で骨が溶けるとはどういうこと?
まず、歯周病の仕組みを一つだけ共有させてください。
もし、歯を家に例えるなら、歯の根を支えている顎の骨は、その家が建っている地盤です。
健康な状態では、歯の根は周りの骨に支えられています。
ところが歯周病が進むと、歯を支える骨が少しずつ失われていきます。
地盤が下がってしまうわけです。
その結果、歯を支える力が弱くなり、歯が揺れたり、噛みにくくなったりすることがあります。
「骨が半分くらい溶けています」
「もうほとんど骨がありません」
歯科医院で、こんな説明を受けたことがある方もいるかもしれません。
では、骨がどのくらい減ったら抜歯が必要なのでしょうか。
ここで知ってほしいのが、歯の「予後」という考え方です。
予後とは、これから治療や管理を続けた場合に、その歯がどのくらい安定して使える見込みがあるのか、ということです。
「疑問歯」と「絶望歯」の違い
歯周病の研究では、歯の予後を「疑問」「絶望的」などに分類することがあります。
例えば、ドイツのGraetzらの2011年の研究では、歯を支える骨がどれだけ失われたかによって、次のように分類しています。(4)
| 研究上の分類 | 骨吸収の程度 |
|---|---|
| 疑問歯(Questionable) | 50%以上70%未満 |
| 絶望歯(Hopeless) | 70%以上 |
「疑問歯」とは、残せるかどうかの見通しが不確かな歯です。
そして「絶望歯」とは、研究上、より厳しい予後が予測される歯を指します。
ここで大切な注意点があります。
この50%、70%という数字は、特定の研究で使われた分類基準です。
すべての患者さんに共通する、絶対的な抜歯基準ではありません。
骨が49%減ったら保存、51%減ったら抜歯、と機械的に決められるものではないんです。
実際の診療では、骨がどの部分に残っているか、歯の根の形、歯周ポケットの深さ、歯の動揺、噛み合わせなども関係します。
ですから「骨が7割減ったから必ず抜歯」とは言えませんし、逆に「骨が半分残っているから絶対に大丈夫」とも言えません。
歯がグラグラしていても抜かずに済むことはある?
「歯がグラグラしています。もう抜くしかありませんか?」
これも、よく聞かれる質問です。
結論から言えば、歯が揺れているという理由だけで、必ず抜歯になるとは限りません。
歯の揺れには、歯周病で支える骨が減っていることだけでなく、噛む力が強くかかっていることや、急性の炎症などが関係する場合もあります。
炎症を抑えたり、噛み合わせを調整したりすることで、状態が変わるケースもあります。
一方で、歯を支える組織が著しく失われ、治療後も噛む機能を維持できない場合は、抜歯が適切になることもあります。
ここで見てほしいのは、揺れそのものだけではなく、なぜ揺れているのかという原因です。
レントゲンを見せてもらいながら、骨の状態、歯の揺れ、炎症の程度を説明してもらってください。
もし、前回の説明を覚えていなくても大丈夫です。
「かなり進んでいます」としか聞いていない方も、次の診察で改めて確認すればよいんです。
では、実際に何を質問すればよいのでしょうか。
ここからが、この記事で一番お伝えしたい部分です。
抜歯と言われたら歯科医師に聞いてほしい3つの質問
抜歯を勧められたときは、「抜歯が必要な原因」「歯を残した場合の見通し」「今抜かない場合のリスク」を確認してください。この3つが分かると、治療方針を理解し、納得して選択するための材料がそろいます。
特別な道具は要りません。
この3つを質問すること自体に費用はかかりませんが、追加の検査や相談には診療費が発生する場合があります。
次の診察で、そのまま聞いてみてください。
質問1「抜く理由は、歯周病ですか?根の病気ですか?割れているからですか?」
最初に聞いてほしいのは、これです。
「先生、この歯を抜いたほうがいい理由は、歯周病ですか?根の病気ですか?それとも割れているからですか?」
なぜ、この質問が大切なのでしょうか。
それは、抜歯を勧められる原因によって、歯を残すための治療方法が違ってくるからです。
歯周病が原因なら、歯周ポケットの清掃や歯周外科治療などを検討することになります。
歯の根の先に炎症が起きる根尖性歯周炎などが原因なら、根管治療をやり直す「再根管治療」が選択肢になることがあります。
一方、修復が難しい歯根破折なら、抜歯や一部の根の除去などを検討することになります。
もちろん、深い虫歯で歯質がほとんど残っていない、根の状態が悪いなど、ほかの原因もあります。複数の原因が重なっていることもあります。
原因が分からないままでは、残せる可能性についても正確に考えられません。
だから、まずは抜歯を勧められた理由をはっきりさせてください。
質問2「残す治療をした場合、何年くらいもつ見込みですか?」
次に聞いてほしいのが、歯を残した場合の見通しです。
「先生、この歯を抜かずに治療したら、どのくらい使えそうですか?」
ここで「何年もつかは、はっきり分かりません」と言われるかもしれません。
でも、それは必ずしも悪い答えではないんです。
歯の寿命は、治療方法だけで決まるものではありません。
歯周病の進行度、清掃状態、噛む力、喫煙、全身の健康状態、定期的なメインテナンスへの通院など、多くの条件が関係します。
そのため、一人ひとりの歯が何年残るかを正確に予測することは難しいんです。
むしろ、「必ず10年もちます」「絶対に残せません」といった断定的な説明には、慎重になる必要があります。
できれば、年数だけではなく、次のような点も聞いてみてください。
「どんな治療が必要ですか?」
「治療しても残せない可能性はありますか?」
「残す場合、どのくらいの頻度で通院する必要がありますか?」
「途中で抜歯が必要になった場合、どのような影響がありますか?」
そして、残す治療に必要な費用や期間、抜歯した後の治療方法についても確認しましょう。
歯を残すことそのものが目的になってしまい、痛みや感染を繰り返して生活に支障が出るのでは、本末転倒です。
ここで大事なのは、その歯を残せるかだけではなく、残して健康的に使っていけるかということなんです。
質問3「今抜かないと何が起きますか?いつまで確認できますか?」
そして、私が特に重要だと考えているのが3つ目の質問です。
「先生、この歯を今抜かなかったら、何が起きる可能性がありますか?ほかの治療方法を確認する時間はありますか?」
この質問には、大切な意味があります。
「抜歯を勧められた」といっても、その日のうちに治療方針を決める必要があるケースと、追加の検査や相談を行う時間があるケースでは、対応が違うからです。
例えば、感染が周囲に広がっている、炎症が急速に進行しているといった状況では、早急な対応が必要です。
また、周囲の骨に悪影響が出ている場合は、放置することで隣接する歯や将来の治療に不利になる可能性があります。
一方、急性症状がなく、適切な清掃や治療で管理できる状態なら、保存の選択肢を詳しく検討できる場合もあります。
ただし、患者さん自身が「痛くないから、あと1か月くらい大丈夫」と判断することは避けてください。
確認に使える期間は、病状ごとに異なります。
「1〜2か月なら誰でも安全に待てる」という医学的な基準はありません。
担当の歯科医師に、いつまでに再評価すべきか、どんな症状が出たらすぐ戻るべきかを確認しておくことが重要です。
ここまで、3つの質問をお伝えしました。
次の診察で聞く3つの質問 コピー抜く理由は、歯周病・根の病気・破折のどれですか?残す治療をした場合、どのくらいもつ見込みですか?今抜かないと何が起きますか?いつまで確認できますか?
診察時の確認用チェックリストです。
「でも先生、こんなこと聞いたら怒られませんか?」
そう心配される方もいると思います。
実際、診察室で遠慮がちに「こういうことを聞いてもいいですか」と切り出される患者さんはいます。
でも、自分の歯の治療について質問することは、決して失礼なことではありません。
私たち歯科医師にとっても、患者さんが何を大切にしているのか分かることは、治療計画を考えるうえで重要です。
「どうしても自分の歯を残したい」
「何度も通うのは難しい」
「できるだけ費用を抑えたい」
患者さんによって、優先したいことは違いますよね。
治療方針は、歯の状態だけでなく、患者さんの希望や生活背景も考えて決めるものです。
ですから、どうか遠慮せずに聞いてみてください。
では、歯を残す治療には、実際にどのくらいの可能性があるのでしょうか。
ここからは、判断の参考になる研究結果をご紹介します。
抜歯と言われた歯は何年もつ?15年追跡研究で分かったこと
歯周病が進行した歯でも、適切な治療と長期的なメインテナンスによって残せる可能性があります。2011年の研究では、特定の条件で管理された「疑問歯」の88.2%が約15年間残っていました。ただし、すべての患者さんに同じ結果が当てはまるわけではありません。
「疑問歯」の約9割が15年後も残っていた研究
ここで、一つの研究をご紹介します。
2011年、ドイツのGraetzらは、歯周病によって歯を支える骨が大きく失われた歯について、長期的な経過を調べました。(4)
対象は、当時「侵襲性歯周炎」と呼ばれていた重い歯周病の患者さんなどです。
侵襲性歯周炎は、比較的急速に歯周組織の破壊が進むことがある病態を指す、以前の分類名称です。
研究では、歯を支える骨が50%以上減少した歯を対象に、歯周治療後の定期的なメインテナンスのもとで経過を追いました。
結果がこちらです。
約15年の定期管理後に残っていた歯

Graetzら(2011年)。侵襲性歯周炎患者の積極的歯周治療後、定期管理を受けた歯の観察結果。
疑問歯
88.2%
209本 / 237本
絶望歯
59.5%
22本 / 37本出典:Graetz C, et al. J Clin Periodontol. 2011;38:707–714. (4)
「えっ、先生。絶望的と言われた歯でさえ、半分以上残っていたんですか?」
そうなんです。
この研究では、歯周治療後に残された「疑問歯」237本のうち209本が、約15年間の定期管理後も残っていました。
さらに、研究上「絶望歯」と分類された37本でも、22本が残っていたんです。(4)
驚く結果ですよね。
ただ、ここで大切なことがあります。
15年生存率88.2%は、誰にでも当てはまる数字ではない
この研究を紹介すると、よく「じゃあ抜かなくていいんですね」と言われます。
でも、そこは少し違うんです。
研究に参加していたのは、大学病院で歯周治療を受け、その後も定期的なメインテナンスを続けていた患者さんたちです。
ここでいうメインテナンスとは、歯周病の再発や進行を防ぐために、歯科医院で定期的な検査や清掃などを受けることです。
この研究では、積極的な歯周治療の段階ですでに抜歯された歯もありました。
つまり、報告された88.2%と59.5%という数字は、最初に抜歯を検討された歯がすべて同じ割合で残るという意味ではありません。
治療後に残すと判断され、定期的に管理された歯の経過を示しています。
しかも、研究は単一施設での後ろ向き観察研究です。
後ろ向き研究とは、過去の診療記録を調べて結果を分析する研究方法であり、治療の効果を直接証明する比較試験とは異なります。
定期的な管理を十分に受けられない場合や、歯周病を進行させるリスクが高い場合には、結果が変わる可能性があります。
ですから、15年生存率が約9割という数字を、あなた自身の歯の予測値として使うことはできません。
それでも、この研究から学べることがあります。
それは、重度の歯周病だからといって、すべての歯が短期間で失われるわけではないということです。
そして、その歯を残すためには、治療と、その後の継続した管理が重要だということなんです。
ヨーロッパの歯周病ガイドラインは早期抜歯をどう考えている?
では、こうした研究結果を踏まえ、歯周病の専門家たちはどう考えているのでしょうか。
ヨーロッパ歯周病学会(EFP)が2022年に発表したステージIV歯周炎の診療ガイドラインでは、治療可能と判断される歯について、まず保存を目指す考え方が示されています。(5)
ステージIV歯周炎とは、重度の歯周病に加えて、歯の喪失や噛み合わせの問題など、複雑な機能障害を伴う状態です。
このガイドラインでは、予後が疑問とされる歯を早期に抜歯することは、現在のエビデンスで支持されず、強く避けるべきとされています。
ここは、とても重要です。
歯周病が進んでいるからといって、歯を残す治療の可能性を検討せずに、早期抜歯を選ぶことが推奨されているわけではないんです。(5)
また、2020年のステージI〜III歯周炎のガイドラインでは、患者さんへの清掃指導や歯周ポケット内の清掃、必要に応じた追加治療、その後の支持療法という段階的な治療の考え方が示されています。(6)
ただし、これらのガイドラインは歯周炎に関するものです。
歯根破折や修復不能な虫歯による抜歯まで、同じ判断基準で扱えるわけではありません。
また、歯周炎でも、感染や機能の問題が大きく、保存することがかえって不利益になる歯はあります。
だからこそ、まず抜歯の原因を聞いてほしいんです。
抜歯の判断が歯科医師によって違うのはなぜ?セカンドオピニオンの意味
同じ歯の状態でも、歯科医師によって保存と抜歯の判断が分かれることがあります。これは必ずしもどちらかが間違っているという意味ではなく、臨床経験や専門教育、治療方針の違いなどが影響するためです。
インプラントの専門教育を受けた歯科医師ほど歯を残す判断が多かった研究
ここで、もう一つ興味深い研究を紹介します。
2014年、Lang-Huaらは、90名の歯科医師を対象に、歯周病によって状態が悪くなった歯を残すか抜くかについて調査しました。(7)
歯科医師には、さまざまな状態の歯について症例シナリオが提示されました。
研究では、インプラントに関する大学院レベルの専門教育を受けた歯科医師や研修中の歯科医師は、そうした資格を持たない歯科医師に比べて、状態の悪い上顎の奥歯を「残す」と判断する可能性が約3倍高いという結果が報告されています。
具体的には、痛みのない症例でオッズ比3.10、痛みのある症例でオッズ比3.08でした。(7)
オッズ比とは、ある判断が選ばれる相対的な傾向を表す統計指標です。
ここでいう約3倍は、歯が実際に3倍長持ちしたという意味ではありません。
「えっ、逆じゃないんですか?インプラントの先生のほうが歯を抜くことを勧めそうですけど」
そう思いますよね。
私も、この結果は非常に興味深いと思います。
抜いた後の治療の難しさをよく知っているからこそ、天然歯を残すことの価値を重視する可能性もあるでしょう。
ただし、これは一つの臨床的な解釈です。
この研究だけで、なぜその判断の違いが生じたのかを証明できるわけではありません。
また、研究は実際の治療結果ではなく、提示された症例に対する判断を調査したものです。
つまり、インプラントを専門とする先生なら必ず歯を残せるという意味でもありません。
この研究から分かるのは、歯科医師の教育背景や経験によって、治療判断に違いが生まれ得るということです。
抜歯と言われたときのセカンドオピニオンは失礼?
「別の先生の意見を聞きたいけれど、今の先生に失礼じゃないでしょうか?」
こういう相談を受けることがあります。
でも、私はそうは思いません。
セカンドオピニオンとは、現在の診断や治療方針について、別の歯科医師の意見を聞くことです。
必ずしも転院するという意味ではありません。
今の先生の判断を否定するためでもありません。
例えば、最初の歯科医院で「歯周病が進んでいるので抜歯が必要です」と言われたとします。
別の歯科医師に詳しく診てもらった結果、「保存治療を試すことは可能ですが、管理が難しく、将来的に抜歯になる可能性もあります」と説明されるかもしれません。
そのとき大切なのは、どちらの歯科医師が正しいかを決めることではありません。
それぞれの治療方針のメリット、デメリット、リスクを理解することです。
「残せる可能性はあるけれど、長期間の通院が必要」
「抜歯すれば感染源を取り除けるけれど、その後に噛む機能を回復する治療が必要」
こうした説明を聞いたうえで、ご自身の希望や生活に合った選択を考えられるようになること。
それが、セカンドオピニオンの大きな価値だと思います。
セカンドオピニオンを受けるときに準備するもの
可能であれば、これまでのレントゲン写真、歯周病検査の結果、治療歴などを用意しておくとよいでしょう。
資料があれば、別の歯科医師も今までの経過を把握しやすくなります。
相談先としては、抜歯を勧められた原因に応じて、歯周病治療、根管治療、歯の保存治療などに詳しい歯科医師が考えられます。
セカンドオピニオンの費用は、医療機関や診療内容によって異なります。
相談料が自費になる施設もありますし、追加の画像検査などが必要になる場合もあります。
予約の際に、相談料金と必要な資料を確認しておきましょう。
そして、ここでもう一つ忘れてほしくないことがあります。
セカンドオピニオンを受けるからといって、感染症の治療や必要な応急処置まで中断しないことです。
確認している間も、必要な治療は続けてください。
抜歯を先延ばしにすると悪化する?待つリスクと受診の目安
抜歯を勧められた歯を、治療せずに放置することにはリスクがあります。保存の可能性を確認する時間は大切ですが、感染の拡大や骨の喪失を防ぐため、担当歯科医師と安全な確認期間を決める必要があります。
「歯を残したい」と言っている間に悪化したらどうする?
ここで、患者さんからこんな反論があるかもしれません。
「先生、歯を残せる可能性があるのは分かりました。でも、いろいろ確認している間に悪化して、結局、隣の歯まで抜くことになったらどうするんですか?」
その心配は、もっともだと思います。
痛みや不安を抱えている方にとって、「少し様子を見ましょう」という言葉だけでは安心できませんよね。
だから、ここははっきりお伝えします。
私がお勧めしたいのは、治療せずに待つことではありません。必要な治療を受けながら、抜歯の判断を確認することです。
これは、まったく違うことです。
例えば、歯周病が進んでいるなら、歯周ポケットの清掃や炎症の管理を受ける。
根の病気が疑われるなら、必要な検査や根管治療の可能性を確認する。
感染があるなら、状況に応じて適切な処置を受ける。
そのうえで、保存する方法があるか、別の歯科医師に相談する価値があるかを考えます。
確認することは、放置することではありません。
私は、これも治療の一部だと考えています。
痛みがなければ1〜2か月待っても大丈夫?
ここは、特に誤解してほしくない部分です。
「痛みがなければ、1〜2か月くらい抜歯を待っても大丈夫ですか?」
答えは、歯の状態によります。
症状がなく、病状が安定している場合には、保存の選択肢を検討する時間を確保できることがあります。
しかし、痛みがないだけでは、安全に待てるとは判断できません。
例えば、慢性的な感染が進んでいても、強い痛みが出ないことがあります。
歯周病も、痛みがほとんどないまま進行する場合があります。
そのため、一律に「1〜2か月なら待てる」とは言えないんです。
私は、患者さんには「いつまで検討してよいか」を担当歯科医師に具体的に聞いてほしいと思っています。
そして、確認期間中に症状が変わったら、予定を前倒しして診てもらってください。
特に、顔の腫れ、発熱、強い痛み、急に噛めなくなったときは、早急に受診しましょう。
飲み込みにくい、息苦しい、首や目の周囲まで腫れているといった症状なら、緊急対応が必要です。(1)
抜歯しないことで隣の歯に悪影響が出ることはある?
これも大切な問題です。
感染や歯周病の状態によっては、原因となっている歯を適切に治療しないことで、周囲の骨や組織に悪影響が及ぶ可能性があります。
ただし、「抜歯をしないと必ず隣の歯まで悪くなる」というわけではありません。
どの程度のリスクがあるかは、感染の範囲や骨の状態などによって異なります。
歯科医師から「隣の歯にも影響が出る可能性があります」と説明された場合には、その根拠を具体的に聞いてください。
「レントゲンでは、どこまで骨が減っていますか?」
「感染が広がっている状態ですか?」
「今、抜歯以外の治療で抑えられる可能性はありますか?」
こうして確認すると、なぜ急ぐ必要があるのか、あるいはなぜ少し検討する余地があるのかが見えてきます。
抜歯せずに歯を残す方法|歯科医アサノが重視する2つの判断基準
歯を残せるかどうかは、骨の残存量だけでは決まりません。私が特に重視するのは、患者さんが清掃できる状態をつくれるか、そして噛む力を支えられる歯の構造が残っているかという2点です。
ここからは、研究で一律に決められる話ではなく、私が臨床でどのように考えているかをお話しします。
歯科医師によって、判断基準や治療方針に違いがあることも踏まえて読んでください。
判断基準1:歯ブラシで清掃できる状態に戻せるか
まず一つ目は、患者さん自身が、その歯をきちんと清掃できる状態に戻せるかどうかです。
例えば、歯周病が進んで歯ぐきが大きく下がり、歯の根が複雑に露出している場合を考えてみましょう。
その歯を治療して残せたとしても、毎日の清掃が難しいままだと、汚れがたまりやすくなります。
その結果、炎症が再発したり、歯周病が進行したりする可能性があります。
つまり、歯を一度残すことができても、その後、健康な状態で維持できるとは限らないんです。
私は、患者さんが普段の歯ブラシや補助清掃用具を使って、清掃できる状態に改善できるかを大切にしています。
これは、患者さんに完璧な歯磨きを求めるという意味ではありません。
歯の形や歯ぐきの状態を整え、患者さんが現実的に管理できる環境をつくれるか、ということです。
どんなに高度な治療で歯を残しても、毎日の生活の中で管理できなければ、長期的な維持は難しくなります。
判断基準2:噛む力を受け止められる根が残っているか
二つ目は、噛む力を支えられる構造が残っているかです。
歯は、ただ口の中に存在していればよいわけではありません。
食事のたびに、噛む力がかかります。
その力を受け止めるためには、歯の根や周囲の組織に十分な支持が必要です。
例えば、奥歯の根の周囲の骨が大きく失われている場合、無理に噛ませると歯が揺れたり、痛みが出たりすることがあります。
一方、骨が一部減っていても、噛む力のかかり方を調整することで、機能を維持できる場合もあります。
私は、残っている根の長さや本数、骨による支持、歯の形、噛み合わせなどを確認します。
骨の吸収率という数字だけでは決めません。
逆に、十分な清掃が難しく、噛む力にも耐えられないと判断した場合には、骨がある程度残っていても、抜歯を提案することがあります。
歯を残すことだけを優先して、患者さんが痛みや不便を抱え続けるのは、望ましい治療とは言えないからです。
片側だけ歯が悪い場合は噛み合わせも確認する
もう一つ、私が大切にしていることがあります。
それは、反対側の同じ位置にある歯の状態を確認することです。
例えば、右側の奥歯だけが大きく悪くなっていて、左側の同じ歯は比較的良い状態だったとします。
その場合、私は歯周病の程度だけでなく、噛み合わせの力が左右でどのようにかかっているかにも注目します。
片側に噛む力が集中している、歯ぎしりや食いしばりの影響を受けている、といった可能性もあるからです。
ただし、片側だけ悪いからといって、必ず噛み合わせが原因だと決めつけることはできません。
歯磨きの状態、過去の治療、歯の形、根の状態など、ほかの要因も関係します。
重要なのは、悪くなった歯だけを見るのではなく、お口全体を見て原因を考えることです。
私は、歯を一本でも多く残すことだけが、歯科治療のゴールだとは思っていません。
患者さんが将来にわたって、できるだけ健康に噛める状態を守ること。
そのために、残せる歯はできるだけ残し、残すことがかえって不利益になる場合は、抜歯も含めて説明する。
それが、私の治療に対する基本的な考え方です。
抜歯と言われたけれど抜きたくない方へ|今日からできること
抜歯と言われたら、まずは抜歯の原因と急ぐ必要性を確認してください。そのうえで保存治療の見込みを聞き、必要ならセカンドオピニオンを検討しましょう。納得して治療を選ぶために、質問することは大切です。
ここまで読んでくださったあなたに、最後にお伝えしたいことがあります。
抜歯と言われたとき、ショックで頭が真っ白になってしまう方もいると思います。
「もうダメなんだ」
「自分の歯を失うしかないんだ」
そう感じてしまうのも、無理はありません。
でも、歯周病で骨が大きく減っているからといって、すべての歯がすぐに抜歯になるわけではありません。
長期的な治療と管理によって、残せる場合があることも分かっています。
一方で、歯根破折や重い感染症など、保存が難しい、あるいは早急な対応が必要な状態もあります。
つまり、大切なのは「何が何でも歯を抜かないこと」ではないんです。
あなたの歯が今、どんな状態にあって、何を優先する必要があるのか。
そこをきちんと確認することです。
覚えて帰ってほしいのは、3つだけです。
一つ目。顔の腫れ、発熱、飲み込みにくさなど、感染が広がっている可能性のある症状は見逃さないこと。
二つ目。歯周病で予後が厳しいと言われても、条件によっては保存できる可能性があること。
三つ目。抜歯を勧められた理由と残す選択肢について、納得できるまで説明を受けること。
明日からやってほしいことは、とてもシンプルです。
次の予約で、歯科医師にこう聞いてみてください。
「先生、この歯を抜く理由は、歯周病ですか?根の病気ですか?それとも割れているからですか?」
この質問が、あなた自身の歯の状態を理解する第一歩になります。
私が今回、この記事を書いたのは、抜歯を勧められたときに、十分な説明や確認ができないまま悩んでいる方を、一人でも減らしたいからです。
もちろん、すべての歯を残せるわけではありません。
抜歯が最も適切な治療になることもあります。
それでも、理由を理解し、ご自身が納得して選択することには、大きな意味があると思っています。
冒頭の、抜歯と言われて納得できないまま帰ってきたあなたへ。
緊急性がないと確認できたなら、十分に説明を受けてから治療方針を決めることもできます。
一人で悩まず、ぜひ担当の歯科医師に相談してください。
合言葉は、
「抜く前に、型を聞け」
正しい知識が、あなたの歯を守ります。
咬合崩壊専門の歯科医、アサノでした。
記事監修・執筆情報:歯科医 アサノ(提供台本上の著者表記)。所属医療機関・資格詳細は公開前に追記してください。この記事は一般的な医療情報を提供するもので、個別の診断や治療方針に代わるものではありません。
よくある質問
Q1. 抜歯と言われた歯は、本当に抜くしかないのでしょうか?
必ずしもそうではありません。
歯周病や根の病気など、抜歯を勧められた原因によっては、保存治療を検討できる場合があります。
ただし、修復が難しい歯根破折や重度の感染、歯質の大きな欠損などがある場合は、抜歯が適切になることもあります。
まずは、抜歯が必要と判断された具体的な理由を確認しましょう。
Q2. 歯周病で骨が7割溶けた歯でも残せますか?
残せる可能性はありますが、骨がどれくらい減っているかだけでは判断できません。
Graetzらの研究では、骨吸収が70%以上の歯でも、治療後の定期管理のもとで約15年間残っていた例が報告されています。(4)
ただし、研究対象は限定されており、すべての患者さんに当てはまる数字ではありません。
実際の判断には、骨の残り方、歯の揺れ、感染、噛み合わせ、清掃性などの評価が必要です。
Q3. 歯の根が割れていると言われたら抜歯が必要ですか?
垂直性歯根破折が確認され、修復が難しい場合は、抜歯が主な治療選択肢になります。
ただし、複数の根を持つ奥歯では、条件によって一部の根だけを取り除く方法が検討される場合もあります。(2)(3)
破折が疑われるだけなのか、実際に確認されたのかを歯科医師に聞くことが重要です。
Q4. 抜歯のセカンドオピニオンを受けるのは失礼ですか?
失礼ではありません。
セカンドオピニオンは、現在の診断や治療方針について、別の歯科医師の意見を聞くことです。
特に、保存する場合のメリットやリスクについて十分に理解できていないときには、有用な選択肢になります。
ただし、感染が広がっているなど緊急性が高い場合は、相談のために必要な治療を遅らせないでください。
Q5. 抜歯を勧められたその場で断っても大丈夫ですか?
緊急性が低い場合には、治療内容の説明を受け、検討する時間を相談することができます。
ただし、病状によっては処置を遅らせることで悪化する可能性があります。
抜歯に同意するかどうかだけでなく、「いつまで検討できるか」「何が起きたらすぐ受診すべきか」を確認してください。
Q6. 抜歯しないで残す治療には、どのくらい費用がかかりますか?
費用は、原因や治療内容、保険診療か自由診療かによって異なります。
歯周基本治療、根管治療、歯周外科治療、被せ物など、必要な処置は歯によって違います。
また、治療後の定期的なメインテナンスにも費用がかかります。
保存治療と抜歯後の治療について、それぞれ総額の目安、通院期間、主なリスクを確認することをお勧めします。
引用文献
本文の番号に対応する文献です。元台本の文献を中心に、確認できた正式な書誌情報を掲載しています。
(1)NHS. Dental abscess.
- 資料:英国国民保健サービス(NHS)の公的医療情報
- URL:NHS公式ページ
- 概要:歯性感染症の症状、歯科受診が必要な状態、救急対応が必要な呼吸・嚥下障害などについて説明しています。
- 引用理由:抜歯前の緊急受診の判断、重い感染症の危険症状を示すため。nhs.uk
(2)Patel S, Bhuva B, Bose R. Present status and future directions: vertical root fractures in root filled teeth.
- International Endodontic Journal. 2022;55(Suppl 3):804–826.
- DOI:10.1111/iej.13737
- 概要:根管治療歯の垂直性歯根破折について、発生要因、診断上の難しさ、治療の限界を整理した総説です。
- 引用理由:歯根破折が通常のレントゲンでは確定しにくいこと、保存が難しいこと、一部の複根歯では例外的な治療が考えられることを説明するため。Wiley Online Library
(3)Orishko A, Imber JC, Roccuzzo A, et al. Tooth- and implant-related prognostic factors in treatment planning.
- Periodontology 2000. 2024;95:102–128.
- DOI:10.1111/prd.12597
- 概要:歯やインプラントの予後判断に影響する要因を整理した総説です。垂直性歯根破折や修復不能な虫歯などの予後についても説明しています。
- 引用理由:歯根破折に対する抜歯の基本的な位置づけと、保存が難しい歯の考え方を補強するため。PubMed
(4)Graetz C, Dörfer CE, Kahl M, et al. Retention of questionable and hopeless teeth in compliant patients treated for aggressive periodontitis.
- Journal of Clinical Periodontology. 2011;38(8):707–714.
- DOI:10.1111/j.1600-051X.2011.01743.x
- PMID:21627675
- 概要:重度歯周病患者の疑問歯・絶望歯について、歯周治療後の長期管理における歯の生存を調べた研究です。約15年間の定期管理後、疑問歯88.2%、絶望歯59.5%が残っていたと報告しています。
- 引用理由:骨吸収率による研究上の分類と、長期保存の可能性を具体的な数字で示すため。PubMed
(5)Herrera D, Sanz M, Kebschull M, et al. Treatment of stage IV periodontitis: The EFP S3 level clinical practice guideline.
- Journal of Clinical Periodontology. 2022;49(Suppl 24):4–71.
- DOI:10.1111/jcpe.13639
- PMID:35688447
- 概要:ステージIV歯周炎の治療について、多分野の専門家によるエビデンスと合意形成をもとに作られた診療ガイドラインです。保存可能な歯を維持する治療を重視し、予後疑問歯の早期抜歯を支持していません。
- 引用理由:歯周病によって状態が悪化した歯の保存方針を、臨床ガイドラインに基づいて説明するため。Wiley Online Library
(6)Sanz M, Herrera D, Kebschull M, et al. Treatment of stage I–III periodontitis: The EFP S3 level clinical practice guideline.
- Journal of Clinical Periodontology. 2020;47(Suppl 22):4–60.
- DOI:10.1111/jcpe.13290
- PMID:32383274
- 概要:ステージI〜III歯周炎に対する段階的な治療方法と支持療法について整理した診療ガイドラインです。
- 引用理由:歯周病に対する清掃、歯周治療、再評価、継続的な管理の重要性を示すため。PubMed
(7)Lang-Hua BH, McGrath CPJ, Lo ECM, Lang NP. Factors influencing treatment decision-making for maintaining or extracting compromised teeth.
- Clinical Oral Implants Research. 2014;25(1):59–66.
- DOI:10.1111/clr.12142
- PMID:23517053
- 概要:90名の歯科医師への症例シナリオ調査で、インプラント専門教育の有無と歯の保存判断の関連を調べた研究です。特定の上顎大臼歯症例では、保存を選ぶオッズが約3倍高い結果が報告されています。
- 引用理由:歯科医師の教育背景によって判断が異なる場合があることを説明するため。PubMed
国内の補助資料
日本歯周病学会『歯周治療のガイドライン2022』(2024年10月21日更新版)。日本歯周病学会公式ガイドライン一覧











