こんにちは。
歯科医師の三宅です。
皆さんはインプラントがいつからあるかご存知ですか?
インプラントの歴史を話すと長くなってしまうので、
今日は、ブローネマルク博士について、お話をしていきたいと思います。
インプラントの歴史を語る時に欠かせない人物が、ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士です。
スウェーデンの医学者であり、義眼や義足の研究者であった博士は、
1952年、スウェーデンのルンド大学にて、ウサギの脛骨にチタン製の生態顕微鏡を取り付け、
微小循環の観察実験を行っていました。
研究が終了し、高価な器具だった顕微鏡を取り外して回収しようとした際、
外れないというトラブルに見舞われました。
それまで他の金属では同じような現象は起きませんでした。
この偶然起こったトラブルにより、チタンが生体に対して害を及ぼしにくい金属であることが分かりました。
そして、チタンと骨が結合する現象【オッセオインテグレーション】を発見しました。
ブローネマルク博士は、その後もチタンと骨の関係について興味を持ち、
人体にどう有効に活用できるかという研究を続け、歯への臨床応用を考えました。
以降、長期に渡る慎重な基礎研究を経て、1962年に初めて、人への臨床が行われました。
最初の患者は先天性歯牙欠損に悩むヨスタ・ラーソンという名前の34歳の男性で、
上下顎に純チタン性インプラントを埋入し、その後彼が亡くなる41年間、問題なく機能しました。
残念なことに、ブローネマルク博士が歯科医師ではなかったため、
他の歯科医師からの批判も多く、インプラントはすぐに普及するには至りませんでした。
しかし、その後多くの研究やデータ収集・分析が繰り返し行われ、1982年のトロント会議において、
予後15年の症例が報告された事が大きなターニングポイントとなり、
その安全性、耐久性が広く認知され、欧米を中心とした世界中で、
爆発的な普及が始まり、現在は、失った歯を補うための一つの治療法として、
日本を含め、世界中で導入されています。
インプラント治療は、日々進化し続けていますが、
現在のインプラント治療があるのは、オッセオインテグレーションの発見であり、
ブローネマルクインプラントシステムを確立した、ブローネマルク博士のおかげなのです。
ブローネマルク博士がオッセオインテグレーションを発見したことに始まり、
博士が最初の患者様を治療した後に成長した一連の企業が、
ノーベルバイオケアとなりましたが、当院でも取り扱っております。
インプラント治療にご興味のある方はお気軽に当院にご相談ください。